2018年02月24日

The Beguiled  「ビガイルド 欲望のめざめ」

The Beguiled.jpg2017  

Director:

Sofia Coppola

美しい森と お屋敷が印象的。それを背景に、衣装のこだわり、少し悪い予感のする若草物語のような若い女性たち。
母と娘たちではなく、少人数の寄宿学校、先生と生徒でした。
キルスティン・ダンストは 未だにソフィア・コッポラのミューズのようで、しかし、もはや生徒の年齢ではなく、若手の教師役に。
エル・ファニングは 幼い顔立ちだが、1人だけ やけに背が高い生徒。それでも、彼女は次世代のミューズだから。
そこに、美しさと年齢的にも雰囲気的にもマッチする、ニコール・キッドマンがボス(園長)と。
でもって、ストーリー上、厄介ごとを引き起こしがちなのは この3人で、他は ただかわいげな女の子たち。わかりやすい意図的なキャスティング。まぁこれだから魅力的でもある。
さらに、唯一の男性、負傷した敵軍の兵士役にコリン・ファレルというのは、どう考えても 心優しい王子様ではないことは明らか。
外部との関わりなく、キリスト教の教えに沿い、家族のように生活している彼女たち。そこに1人の得体の知れない男が現れ、共同生活をするうちに、彼を気になってしかたない、意識し始める、わかりやすい女性陣。
コリン・ファレル扮するジャックは やはりプレイボーイだけれども、極悪人ではない可能性が。彼も 助けてもらったとはいえ、女の子たちに手を出したとはいえ、この とんでもない事態に、気の毒な。
なんとも、屋敷(学園)の前に女性たち全員が並んで正面を向いている 美しい1シーンに移る過程には、ぞくっとするものが。
そんな雰囲気や、美しさの裏側の愛憎劇と、魅惑の映画でありながら、例えば「ミザリー」のような猟奇的なものではなく、女の争いも かわいいもので、宗教色はあるがカルト的ではなく、スリラーとも違う、そこは やはりソフィア・コッポラフィルム。繊細で、ソフトで、美しい。そして、あ..そこで終わる... これぞソフィア・コッポラフィルム。
ラベル:映画
posted by JUNE at 00:00| Comment(0) | 映画コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月23日

Whisky Galore  「ウイスキーと2人の花嫁」

Whisky Galore.jpg2016  

Director:

Gillies MacKinnon

ウイスキーをこよなく愛する、スコットランドの島の人たちの話。ウイスキーが底をついては結婚式も挙げられないと、あるチャンスに 中でウイスキー確保に奔走する、チャーミングな島民たち。
ウイスキーのため あくせくするものの、終始なんとも 微笑ましく、幸せな話。問題はウイスキーのことだけ。姉妹仲良し、父娘仲良し、婚約者どうし仲良し、
花嫁の父親は2人の娘が結婚して去るのを寂しがるが、それだって幸せなこと。島民の争い事なし、暴力なんて一切なし、誰も死なない、島民の動きを阻止しようとする大尉も憎めないキャラクター、かたくなな婿の母親が収まらないはずもない。
関税役員の捜索から逃れる方法も 隠す、隠す、運ぶ、撒く、の協力型が また微笑ましい。
刺激に欠ける? スコットランドの風景が心地よくマッチした、こんな心が和む映画があってもいい。
実話を基にして、第二次大戦中の話にして、こんな穏やかな映画をつくり上げるなんて。
ラベル:映画
posted by JUNE at 18:00| Comment(0) | 映画コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月18日

Serena  「セリーナ 炎の女」

Serena.jpg2014  

Director:

Susanne Bier

主人公の人物像を描きつつ、人間関係絡みの起承転結だが、割とシンプルなつくりの作品。展開は 深みに欠けるが、ドラマティックにすることで理解しやすく。
出だしから2人が結婚するまで、夫婦ともに事業に着手するまでの流れを端折り過ぎだが、その分、退屈な成り行き説明シーンなく、本編全体を長く感じさせない。
行動力、統率力のある2人が手を取り合うと、事業にも2倍の力を発揮、プライベートともに相性よく、一気に燃え上がり、爆発させる性質の2人。
ジェニファー・ローレンスは気性の激しい印象があるが、ブラッドリー・クーパーはそんなふうに見えない上、どうも感情がわかりにくい目だと いつもどおり見える。が、ストーリーに流される。
ジェニファー・ローレンスの勝手な印象から、初めから魔性の女の役を想像していたので、そういうわけではなかった と。複雑な生い立ちはあるようだが、セリーナは強く、魅力的な女性であって、彼女が違う方向に執着し始めたのは、彼女の心が大きく傷ついたことをきっかけとして。
2人の関係は一度狂い始めると、もう止められない。それまでの仲間の裏切り行為や お互いの過去の出来事、それらの問題は2人の間には何の支障もなかった。愛し合う夫婦であり、仕事の絶妙なパートナーであった、順調な2人の世界が 一気に破滅の道へ。
過去のことはお互いに忘れようと言ったのはセリーナだったが、結局、お互いに 現在につながる過去から目を背けることはできなかった。
2人の結末は納得できるものでもないが、これもドラマティックにつくられたストーリーに流されるまま。2人それぞれの人物像を反映する結末を描いていることは理解できる。

主演2人以外のキャストの出番は印象が薄いので、キーパーソンのリス・エヴァンスの役の人物像の描き方も希薄だが、これも流れからわかりやすい。ショーン・ハリスの役は中途半端。「裏切りのサーカス」 プアマンのデヴィッド・デンシックの役だけは前半で説明が濃い印象~ちなみにティンカーのトビー・ジョーンズも出演している~。
主演2人の馬を乗りこなす姿が美しい。
ラベル:映画
posted by JUNE at 23:00| Comment(0) | 映画コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月16日

The Greatest Showman

The Greatest Showman.jpg2017  

Director:

Michael Gracey

完全なミュージカル映画。
同じ製作スタッフだと宣伝してある、去年のこのシーズン特に話題になった「La La Land」はちょっと違うタイプの映画だなと改めて。もちろん監督が違う。
私の唯一好みのミュージカルタッチ映画はロブ・マーシャル「シカゴ」で、監督によってタイプもいろいろ。
この映画は、アメリカ映画王道のミュージカル大作で、万人受けタイプのもの。ステージでのショーと、流れに乗せて歌とダンスの、つまりミュージカル。起承転結がはっきりしていて、苦しい状況を乗り越えて、もちろんハッピーエンディング。オープニングもエンディングもショーでキメる、ミュージカル映画の完璧スタイル。
貧富の差や偏見が色濃く出る時代、現代も完全になくなることのないテーマであり、ありのままの自分に自信を持つこと、あきらめず 逆境から立ち上がり 前を向くこと、手を取り合うこと、一番大切なものを見失わないこと、この映画は これらのメッセージを伝えるショーとして まとめられた大作だ
私個人的な好みとしては..。もともとストーリーの進行途中に急に歌い出すのには違和感があり、セリフが歌詞になるわけで、セリフを読むと 歌とダンスに集中できず、曲やダンスに集中すると セリフを逃す。今回もまさにそれで、さらに、こんな重要なシーンで歌い出すのはやめてくれと.. 感動的なセリフと状況に心から集中しかけているときに歌い出すので 覚めてしまう、私は。
その点、例えば「La La Land」は 今考えると、割とストーリー展開とミュージカルシーンが分断されていて、私にとっては 両方に集中できる映画だ。比較すると「La La Land」はインディペンデント感のある こだわりの 映画だから。~ただ、大勢でのパフォーマンスシーンでは、魅せるけれども ミュージカルとしては手抜きだなと思えるポイントもあった。~
「グレイテスト・ショーマン」の話に戻って、しかし、ショーは華やかで 輝いて、素晴らしい。
ユニークな人たちを集めたら、サーカスの要素だけじゃなく、完璧なダンサーになる? まぁいいか。
車の走る時代に、巨大なゾウに街中を歩かせるのは いいのか? まぁいいか。
ヒュー・ジャックマンは、長身で華があるから、センターに立つショーマンとして、特にこの手の大作に合う見映え。シルクハットまで似合う。体が大きいのは、なんてったってウルヴァリンだもの。もちろん他キャストの魅せるミュージカルシーンもあるが、ほぼ ❛ヒュー・ジャックマンのステージ❜ の印象なのは、やはり彼の存在感によるものだ。彼の トニー賞受賞や トム・フーパー「レ・ミゼラブル」と承知の上だが、Xメンからミュージカルまで、多才だなと。1つ、少年時代のシーンから成長した主人公がプロポーズするには、ヒュー・ジャックマンは歳をとり過ぎているように見える。まぁいいか。
妻役ミシェル・ウィリアムズも若過ぎないので、バランスとしてはよいかな。プラチナブロンドに ふわっとしたワンピースと、お人形か妖精のようなスタイルの今回。役柄的に光らないものの、安定感ある演技の彼女 ~昔は とてもお姫様的でも主役系でもなかったが、いまや~。
ザック・エフロンは、「ハイスクール・ミュージカル」だもの。ちょっと おじさんっぽくなったものの、やっとステージに立ったとき、ヒュー・ジャックマンより小さくとも 彼は彼で やはりセンターが似合うなと。
ゼンデイヤという人は 想像以上に出番が多く、超人パフォーマンスと歌、脚が長いのが印象的。
「ミッション・インポッシブル」で きれいなバランスのとれたニューヒロインだと感じた レベッカ・ファーガソンは、ヨーロッパ的な美しさで、聴かせる歌唱ステージ。しかし、これは吹き替えに違いなく~世界的に有名な歌手の役で、彼女は女優なのだから しかたない~、近年は本人が歌うのが主流なもので、ミュージカル映画としては 美しい歌声でも 心に引っかかるものが。
しかし、見ないようにしても、さんざん宣伝している予告編のヒュー・ジャックマンバージョンが 映画冒頭から始まるとは、勘弁してほしい。
とにかく..、好みや捉え方はいろいろとして、観て損はなし。
ラベル:映画
posted by JUNE at 23:59| Comment(0) | 映画コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月15日

The Good Heart

The Good Heart.jpg2009  

Director:

Dagur Kári

‟グッド・ハート” とは、心のことだけでなく、心臓のこと。
全体的には 地味にコミカルで、ほのぼのした雰囲気に、シリアスな要素もあり、斬新なつくりの映画。
ポール・ダノが いつもの彼の雰囲気でありながら、またしても いい味 出している。
ホームレスの主人公ルーカスは、バーのオーナーで心臓に持病のあるジャックに無理やり雇われ
ルーカスは弱気ながらも 現代に珍しいグッド・ハートの持ち主で、これまでの日陰の生活から 世間と関わるようになり、ちょっとずつ彼らしさを欠くようになる。
悪態をついてばかりのジャックは逆に、ルーカスの心優しい性格に触れるうちに、穏やかな気持ちに。
バーの再開と ルーカスの生活も好転するかと思えたところで..。彼にもっと良い未来を描いてほしかったな。この結果も彼にとっては本望かもしれないけれど。
ジャックはますます穏やかな顔に。グッド・ハートを持つ身となったから。

ノーザンライツ映画特集にて。アイスランド映画で、ヨーロッパ映画ということで、ヨーロッパ人俳優2人以上の出演が必要な規定があるとの話が 監督インタビュー映像で。ジャック役のブライアン・コックスがスコットランド人、ルーカスの前に突然現れて居座ることになる女性エイプリル役にフランス人を起用したとのこと。そんな決まりがあったのかー。
ラベル:映画
posted by JUNE at 21:00| Comment(0) | 映画コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする