2017年01月30日

Egon Schiele: Tod und Mädchen  「エゴン・シーレ 死と乙女」

Egon Schiele.jpg2016  Director: Dieter Berner

画が絵画のように美しい映画。ウィーンの風景、彼のアトリエ兼自宅。
ストーリーは一言に美しいものだとはいえない、彼を取り巻く女性たちからすると複雑であり、また、彼が描く芸術は全ての人に理解されるわけではない、個性的な若い1人のアーティスト、エゴン・シーレの生き方。モデルとしての女性たちに惹き付けられ、また、女性たちをも魅了した画家。絆の強い妹と生涯を通じた関わり、特別な存在の女性ヴァリ、トラウマとなる父親の記憶、戦争中の時代背景がもたらしたもの。
ヴァリは彼のミューズの1人でもあり、彼のことを理解するパートナーでもある。結婚にとらわれないことは2人に共通する考えでもあったが、特別な存在であるとしながらも ヴァリを結婚相手ではないとして別の女性を選んだのは、彼の独特の感性か、世相によるのものか。ヴァリの身になると大きなショックだが、離れ離れになっても 心は通じ合っている2人。脚色あるにしても。
タイトルに彼の心が表れる“死と乙女”。2人の関係を表す大きな意味のある彼の作品であり、ヴァリの死の知らせにより、“男と乙女”からタイトルを変えるという皮肉ないきさつ。印象に残る作品となる。
時代の風潮は、28歳という若さの彼の才能に幕を閉じさせた。
エゴン・シーレ役の俳優の美しいこと。ヴァリ役はエゴン・シーレが惹かれる特別な魅力を持つ女性でなければならず、典型的な美人ではなく、他の女性とは一風変わった奔放な雰囲気のある人。
ラベル:映画 E
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2017年01月28日

Suffragette  「未来を花束にして」

Suffragette.jpg2015  

Director:

Sarah Gavron

あなたにとって選挙権とは?」
   ないと思っていたので意見もありません」

ではなぜここに?」
   もしかしたら・・・他の生き方があるのではないかと・・・」

ラベル: s
posted by JUNE at 18:00| Comment(0) | 映画コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月23日

Maggie's Plan  「マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ」

Maggie's Plan.jpg2015  

Director:

Rebecca Miller

オープニングからハッピーな雰囲気を感じられる。
温かみのあるカラフルなマギーのファッション、ウッド調のコンパクトな 独身時代のマギーのアパート、結婚後のマギーの家はポップ、と 見ていて楽しいカラー、スカを織り交ぜたバックミュージックも和む。
愛すべきキャラクターのマギー役に グレタ・ガーウィグが絶妙にマッチ。訛りが少々気になるジュリアン・ムーアはどんな役柄も様になり、マギーも会ってみると彼女の魅力に気づいた、知的で ときどき気弱な部分もみせるジョーゼット。そして、イーサン・ホーク演じるジョンの 身勝手、進歩のなさ、優柔不断、子どものように人のせいにして反省の色なしの ダメ男ぶり。近年のイーサン・ホークは こんな役が多く、残念ながら彼も役柄にマッチしてしまった。若かりし好青年は いつからこうなってしまったのか・・。
マギーの友達、親友ならではのダメ出しも温かい。
ジョンとジョーゼットは家族のことを愛しているが 独りよがりな行動をとるのに対し、マギーは間接的な家族も含め、家族のために 頑張ってしまう。自分に正直で、短絡的なところもあるマギー。
ジョンがダメなだけに、うまくいくはずもない夫の元妻ジョーゼットとマギーが仲がわるくもないのは 微笑ましく思える。マギーだから できること。
夫婦、子ども、仕事、理想と現実、教訓になるような現実味のある内容でもあり、人生においていつも順調とはいえない複雑な人間関係、人生観を、マギーのキャラクターで、時には悩みながらも 明るく前向きに描く、ハッピーオーラの この映画。
ラストは また1つマギーを取り巻く人間関係を複雑にしそうな展開を予想させるが、マギーには幸せになってほしいから。
ラベル:映画 M
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2017年01月18日

Polytechnique  「静かなる叫び」

Polytechnique.jpg2009  

Director:

Denis Villeneuve

白黒映像と 低いポジションで近距離からターゲットを追うような撮影方法が リアリティーを感じさせ、心理的に追い詰められるような緊迫感がある。登場人物の人物像や背景がわかりにくいので、実在事件の背景を把握していることが前提。加害者と 被害者の女子学生、男子学生の3人にそれぞれスポットを当てる。テーマを深く掘り下げられてはいないが、短い映画、いくつかのポイントだけにしぼって凝縮させたような一風変わった構成にも 集中力が途切れることはない。
事件当日は、犯行前の犯人の心理描写以外に前置きなく、展開は速く、断片的。加害者から被害学生に視点が移ることで時間を交錯させ、事件当日の動きの一部が明らかになっていく。
被害者で一命をとりとめた登場人物の事件後の心理面、ひとりは精神的に耐えることができない、母親にも心の内を明かすことができないまま。ひとりは忘れることのできない記憶と不安に苦悩しながらも前に進むことを決心する。
事件全容ではなく、加害者、被害者の心理面を描く作品という印象だ。ただ、ポイントを一部だけにしぼって。加害者の反フェニミスト意識を引き起こした背景や 犯行の動機、自ら命を絶つ意思、事件後の加害者側についてなど不明。被害者側は断片的にも学生2人だけにスポットを当てた描写。 
女子学生については、事件前、事件後を通して、工科大学で理系の技術を学んだ上で進路を考える彼女の心理と行動に触れ、犯人像として描かれる反フェニミスト=社会 に対する、女子学生=女性の社会的進出の権利を表現しているように思える。この映画の原題には、実在の事件現場となった工科大学を意味することと共に、暗にその意図も含まれているのではないか。
ラベル:映画 p
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2017年01月15日

The Neon Demon

The Neon Demon.jpg2016  

Director:

Nicolas Winding Refn

「ドライヴ」の監督ということで、これまでとジャンルは違えど、その色は濃く出ている。暗がりとネオンの光の点滅の不協和、こもった響く低音とエコー、今回は目立たないがアンバランスな音楽。不快な アーティスティックさ。
考えてみれば、「ドライヴ」なんて セリフは少なくともストーリー含む監督カラーの出し方は普通なほうだ。ハリウッド用に手始めにつくってみたのだろうか。バイオレンスなデンマーク映画からスタートしているらしいが、残酷描写には「ドライヴ」で気づき、「オンリー・ゴッド」で加速したバイオレンスのみならず奇妙で奇妙な監督カラー。
今回の作品は、女性主人公のファッションモデルの世界を描き、バイオレンスに走りにくいテーマではないかと思ったが・・。
摩訶不思議というか、意味不明な空間の時間がやたら長いが、エル・ファニングの緩い印象が展開を急かさなくてもよい気にもさせる。奇妙なダンスは今回はないが、ジェナ・マローンの行動は奇妙だ。エル・ファニングはモデル体型ではないのだが、透明感のある白さが際立つ肌、白い肌に合う生粋のブロンドヘア、あどけない顔立ちが妖精のようで、他の女の子たちとは違う特別さがある。奇才監督のミューズとなってもエル・ファニングはキレイで、ジェナ・マローンは低俗な描かれ方。
クライマックスはそっちへ向かうのか・・、エスカレートする監督らしさ。普通にファッションモデルの世界を描くアート作品に仕上げるはずはない。美しさが不協和な空間を通ってデーモンの世界へ。主人公の環境と感情の変化も表現されているが、見た目にはお人形のようなクセ者モデルたちが嫉妬と憎しみにより監督色に変貌。
この監督のバイオレンスはその奇抜さが現実離れしているような、ある意味アーティスティック。しかし、後味はよくない。
クリスティーナ・ヘンドリックスは1シーンだけ、友情出演?キアヌ・リーヴスは決して感じがよいとはいえない これだけの脇役を敢えてしたの?
ラベル:映画 N
posted by JUNE at 18:11| Comment(0) | 映画コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする