2017年02月26日

La La Land

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Director:

Damien Chazelle

魅せるパフォーマンス寄りで、良質なストーリーとのバランスを図った。夢を追いかける若者の似たような話は他にもあるだろう、それを歌とダンスのパフォーマンスと、カラフルなアートとを融合させ、ひとつの作品に。
オープニングの華やかなミュージカルシーンからすると、同じようなハッピーなエンディングを期待するのだが。ポップにつくられた夢の世界、巻き戻して 理想の2人の人生を見た。オーディエンスも2人も。人生そんなにうまくいくことばかりではない、ちょっとのすれ違いからの今がある。お互いに夢を叶えて、皮肉にも。その切なさと、夢と人生について、思い巡らすと 感動は大きい。
オープニング、夢を追い求めてロサンゼルスに移動する若者たちの渋滞の道路というユニークな舞台での ダンサーたちによるミュージカル大作シーンはもちろん圧巻。そして、素敵な曲と美しい背景デザインが融合する、主演2人の息の合ったダンスシーンには みとれる。
あまりアカデミー賞にとらわれたくないが、俳優賞系ではなく、作品賞系かと
主演の2人の演技という意味では それほど際立っては感じない。歌やダンスも評価に含めるとわかりづらい。
それでも、エマ・ストーンは主人公であり、後半のアカペラ独唱は心に訴えかけるものあり。カラフルな衣装がよく似合うチャーミングなエマ・ストーン。
ライアン・ゴズリングは歌もピアノもプロっぽくはないが、彼は全編を通して魅力的ではある。ジョン・レジェンドのバンドメンバーにライアン・ゴズリングという不釣り合いさには苦笑。
歌がプロではなくたって、これは映画で、ミュージカルではなく、ミュージカルの映画化ですらないのだから、セリフと同じトーンで自然に歌に入ることに違和感なく、これでよいのだと。
極力見ないことに決めていたこの映画の予告編、その一部で勘違いする重要なシーンの使い方が 思いがけず良くて、これも感動の一部となった。
オープニングシーンと その後のミアのルームメイトたちのミュージカルシーンの歌は、明らかに吹き替えかと。メインボーカルが複数いる曲ではないから。最近の映画は 歌う主演は本人が歌うのが定番で、これらのシーンは主演の歌ではないから まぁいいか
ジャズではつながっていて、聴き心地よいが、「セッション」と比較すると普通の‘できた映画’に思える。注目の若きデイミアン・チャゼル監督は、もともとミュージカル映画を撮りたかったが、無名の監督に出資もないため 低予算の「セッション」をまず撮ったというから、「セッション」のような驚きの映画はもう観られないかもしれないと思うと…。なんにしても、次はどんな作品を観せてくれるか、楽しみだ。
ラベル:映画 l
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Collateral Beauty  「素晴らしきかな、人生」

Collateral Beauty.jpg2016  

Director:

David Frankel

映画のエンディングよりもエンドクレジットで流れる曲にやられてしまう。
王道の感動ドラマになり得るのに、いまいち荒削りで もったいないような。
何度も他人のように会っているナオミ・ハリスが ウィル・スミス演じるハワードの??やりようによっては感動の意外な展開になり得るところ、あまりに不自然では?それぐらいハワードは心を閉ざしていた?悩んでいるのはわかるが、この流れは不自然としか。ナオミ・ハリス演じる女性も プロの‘できた人’だ。
俳優役の3人が本当に人ではない可能性は考えられるが、曖昧な むりやり具合。
同僚たちはハワードを立ち直らせるために俳優たちを雇ったわけだが、あきらめて、ハワードに会社売却のサインをさせようと?もうちょっと頑張ってほしい。
ハワードのストーリーがメインで、だけではなく、悩みを抱えたメインキャストそれぞれの前向きな再生も描いているが、本題以外は若干取って付けた感あり
ただ、言いたいことはわかり、メッセージ性のある映画。
ハワードを立ち直らせる作戦を実行する3人と 仕掛人の3人とのやりとりを きっちり2人1組にしているのも 意図的すぎる。と思ったが、それぞれの悩みが ‘愛’と‘時間’と‘死’に関係しているからだ。
キャスト陣なかなか魅力的な顔ぶれだが、そのコンビネーションは絶妙とはいえない。
ラベル: C
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2017年02月19日

The Nice Guys

The Nice Guys.jpg2016  

Director:

Shane Black

2人のコンビネーションは割とよく、ただ、それほど笑えるかというと…。その分、展開と見せ場はしっかりつくってあって。ストーリーはたいしたことなく。
キャスティングで観るべきもの。ボケキャラのライアン・ゴズリングと、現代の人役を見るのは久々なラッセル・クロウ。さらに、こんなコメディーに出演する、役柄は真面目なキム・ベイシンガー。ラッセル・クロウとキム・ベイシンガーといえば、「L.A.コンフィデンシャル」を想う。
たまにはおバカアクション映画で息抜きしてますよ な俳優たち。
ライアン・ゴズリングの娘役の女の子が この程度の映画には優秀なメインキャストぶりで活躍。
ひとつ、単純に、目的の女の子を救出して事件解決するストーリーにすればいいのに
そして、こういう映画には こういう明るいエンディングが必須。
ラベル:映画 N
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2017年02月18日

Demolition  「雨の日は会えない、晴れの日は君を想う」

Demolition.jpg2015  

Director:

Jean-Marc Vallée

ジェイク・ギレンホールがとてもよい。
仕事人間の若きエリート、デイヴィス、妻ジュリアがいなくなって・・・分解し始めた、破壊し始めた。気になる物を片っ端から。それは自分自身の破壊。これまでの自分をふり返り、開き直り、自分に正直に生きてみる。
ジュリアへの気持ちの変化の描き方については少し足りない気がしてしまう。というのも、デイヴィスの心の変化の原因となる過去と現在を結ぶいろんな微細なことをはっきり表現しないため、なかなか伝わりきらず。邦題にもなっているジュリアのメモの言葉さえもピンとくるには難しい。
優秀なジェイクだが、彼だけでは間が持たない?そこで登場する有名人がナオミ・ワッツ。
少々複雑なカレンとその息子との交流を通して、他人に対して愛情のある行動をとるようになるデイヴィス。
ただ、彼らとのやりとりと、デイヴィスのジュリアに対する心の変化とはつながらない。
が、デイヴィス個人の精神的な変化は明らか。
ジュリアの影がちらつく機会が増えてくる。ジュリアからの日常的に自分へ向けられたメッセージに気づき始めるデイヴィス。そして、とうとう本物の涙を流すときが来るのだった。
デイヴィスは反省し、家族とともにジュリアの気持ちを尊重し、心のある行動で再生する。
デイヴィス本人の親よりも彼との関わりが描かれる、ジュリアの父親役クリス・クーパー、個人的には好き。
ラベル:映画 d
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2017年02月12日

Juste la fin du monde  「たかが世界の終わり」

Juste la fin du monde.jpg2016  

Director:

Xavier Dolan

どうした??これまでのグザヴィエ・ドランフィルムとは一風違う。原作が戯曲らしいので、こうなる。
登場人物のアップと沈黙、唐突なシーンの切り替えとポップな音楽、そのへんはグザヴィエ・ドランスタイル。
途中から観た人がいたなら、この白熱した役者たちの演技、ただ事ではない状況に違いないと思うはずだが、実は。実にたいしたことない兄弟喧嘩、無駄口と あげあしの取り合いの ただの口喧嘩なのだ。コメディーのようなやりとり。それを 主人公が悩みを抱えているので、終始重たい空気に。
この異質具合もグザヴィエ・ドランだから注目されるわけだ。しかし、今回は役者の力も目立つ。超人気者フランス人俳優ばかりよく集めたなっていう。今や毎回注目の的ととなる若き新鋭監督だから、にしても、この俳優しか出ないという、なかなか実現するものではないだろう。
もうヴァンサン・カッセルなんて 目の上のたんこぶのようで、ここまでやれば、ちょっと笑える。
レア・セドゥーはボンドガールやら大人っぽい役をやるより、顔立ちが幼いので この妹キャラクターがなかなか良く。
感情あらわに言いたいことをぶちまける兄アントワーヌ(ヴァンサン・カッセル)と妹シルヴィエンヌ(レア・セドゥー)。対照的に、言いたいことを内に秘めた主人公ルイ(ギャスパー・ウリエル)と、兄の妻カトリーヌ(マリオン・コティヤール)。カトリーヌは このあきれた夫家族を一歩引いて見ながら、ときどき正論を言うが家族に押され気味で、夫アントワーヌと 初対面の義理の弟ルイに対して自分の想いがあるよう。
全体的に語尾を濁すようなもどかしい会話があり、特にカトリーヌとルイの含みのある言葉と表情が気になる。
今回のお母さん役はこれまでと違い、ナタリー・バイ。見ため奇抜で能天気な振る舞い。今回も母親にスポットが当てられている話かと思いきや、そうでもなく、家族全体、他の家族のほうがインパクト大。ただ、家族はこの母を中心に構成されている感覚はある。
ルイが病気~おそらく死に関わるような~であることを家族に言いに戻ってきたのに言えないままであることと、ルイがゲイであることで過去にぎくしゃくした事情があるようで、そんな背景の中、口喧嘩のやりとりもエスカレートして、しだいに過去からの確執を含む感情のぶつけ合いのようにもなる。
が、ルイは打ち明けておらず、ほとんど何も彼の口から語られることはなく、ただの口喧嘩の延長であるのに。ルイが帰ると言ったとき、溜めて答えたのが ‘約束がある’ だったことにも少々コケるが、それに対して、長年顔を出さなかった息子にもっといてほしい母の様子はわかるのだが、シルヴィエンヌの永遠の別れのような取り乱し方、彼女に限ってはルイの病気のことに気づいているはずはないから。
家族の言い争いに収集がつかないまま、ルイは家族に打ち明ける目的を果たさず、実家を後に。あれだと昔の家を見に行く暇ないだろう..。
壁掛け時計から飛び出してきたかのような鳥が床で死にかけている。ルイに対するメタファー。
なんにしても 恐るべし、グザヴィエ・ドラン。
ラベル:映画 J
posted by JUNE at 19:06| Comment(0) | 映画コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする