2017年05月28日

The Light Between Oceans  「光をくれた人」

The Light Between Oceans.jpg2016  

Director:

Derek Cianfrance

ありそうな小説のようなストーリーをイメージできるのと、予告で展開が読める。しかし、とても美しい映画。
流れに無駄はなく、感情移入ひとしおの集中。悲しくも、最後まで美しい。これには、映画とは と思いふける。
誰もわるくない、それほどは。主人公に同情して肩を持ってしまうもので、どうしても主人公目線だとレイチェル・ワイズ演じるハナがストーリー上 邪魔者に思えるものだが、実は一番の被害者は彼女。
ただ、アリシア・ヴィキャンデル演じるイザベルは誘拐したのではないということが 少し似たような話の邦画と違う点。イザベルは、つらい出来事が度重なった直後に やっと手に入れた幸せな時。それを打ち砕く災難を招いた原因は、悪意があったわけではないから。特に女性なら、イザベルの気持ちを思うと 哀れで 心が痛む。
と 同時に、ハナの立場になって考えると、それも つらい。
このストーリーには もうひとつのメッセージが込められていて、それは 赦すということ。ハナのストーリーも多少なりとも描かれていて、彼女の行動にも心揺さぶられるものがあった。
‘赦す’ことには、マイケル・ファスベンダー演じるトムの 戦争体験から生じた 彼の心の奥の悩みにも関係していて、トムを変えた女性イザベルのこと、イザベルにとってのトム、そして、‘赦す’ことはイザベルにも影響しているのだと、ラストに近いシーンからわかる。
灯台だけがあり、海と野原と岩壁の 島の情景も とても美しい。
アリシア・ヴィキャンデルの演技は、「リリーのすべて」よりも断然良いような。
マイケル・ファスベンダーは、感情を表に出さない役柄にも関わらず、安定した名演で、どんな映画でも彼の演技がいまいちだったことはない。最近だとスティーブ・ジョブズのイメージに合わず、思ったより光らなかったぐらいだ。マイケル・ファスベンダーは老けて見えるので、エンディングの年齢を重ねたトムのシーンに違和感なし。というのは余談。
ラベル:映画 l
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2017年05月21日

Arrival  「メッセージ」

Arrival.jpg2016  

Director:

Denis Villeneuve

見せ過ぎない予告やプロモーションは素晴らしく、それはエイリアンの容姿に留まらず、もっと重要なこと。
初めての映画。この描き方、しかもSFで。なんて神秘的。うまくマインドコントロールさせられた分、そう感じる度合いが高い。内容的にも映像的にも。内容的には、この映画のテーマ。映像的には、主人公ルイーズに起こるフラッシュバック、そして、スモークがかった薄暗い色味の映像が続き、なかなか急展開はしないために 眠くなりそうなのはさておき、それも含めて。
‘ばかうけ’みたいな未確認物体はよいとして、エイリアンの容姿と その言語の表現し方は単純だ。人間が想像する宇宙人の象徴そのものといった感じでもあり、身近な何かによく似ていたり。その言語の解読は まるで腑に落ちない。そもそも言語学者だからといってエイリアンとの接触に国から選ばれるのも不思議であり、そして、ルイーズの真の功績は、彼女の専門知識を活かしたのもではなかったわけだ。エイリアンの地球侵略やらを危惧する世界の混乱は、ルイーズの1本の電話で収まったようだが、地球外生命体らは地球に来た目的を果たせた?そもそも何を伝えに?ルイーズには大きな影響があった。彼女に伝えに来たかのごとく。いや、彼らには時制そのものがなく、ルイーズには感じとる能力があったから?
と、突っ込みどころはあるけれど、それはどうでもよくなる。神秘的でデリケートな感慨深さを秘めた、新しいこの映画。
原題は事実で、邦題は深い。
ラベル:映画 a
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2017年05月20日

Split

Split.jpg2016  

Director:

M. Night Shyamalan

ジェイムズ・マカヴォイの奇怪さを観ようと、初めからそのつもりだったので、それ以上のものではない。やはり予告を見てはいけない。
そして、M・ナイト・シャマランフィルムの衝撃を期待すると、あ、そっち~?!となる。これはユーモア?監督本人が ちゃっかり出演するのもそうだろう。しかし、オチは..個人的にはこの映画の質を下げたと。とらえ方しだい。だいたい似ているのは頭だけだ。
前置きは極少で、冒頭から展開が速いにもかかわらず、失速。間延び感。テンポが重要なのに。
そして、冒頭にほとんどない前置きに代わる説明をときどき挟んでエンディングにつながる、それは締めとして、精神的に重くとらえるか、あまり気分のよい終わり方ではない。決着もついていない。
で、このオチだもの、どういうタイプの映画にしたかったのか、中途半端、シャマラン監督。
ラベル:映画 s
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2017年05月14日

Manchester by the Sea

Manchester by the Sea.jpg2016  

Director:

Kenneth Lonergan

何を考えているかわからないような、いつもそんなケイシー・アフレックだが、この映画では その雰囲気含め、陰な彼の演技が胸に突き刺さる。俳優部門で 伝記ものではなくして オスカー受賞するのも 納得。個人的には、ここまで日本で劇場公開された今年のアカデミー賞ノミネート映画の中で 一番よい と。
兄の死により帰郷した主人公リーの回想とともに明らかになっていく、過去の悲惨な出来事、家族の関係性。
故郷 Manchester-by-the-Sea で、過去と向き合うことになるリー。
つらい。
リーと甥のパトリック、対照的なふたりのやりとりの中に、微笑ましさ、ぶつかり合い、お互いを思いやる気持ちが観られる。
パトリックとの絆、元妻ランディとの少しの会話、それはリーの心を多少なりとも癒せたように観える。しかし、決して消すことのできないリーが心に負った深い傷。彼が大切にマンチェスターの兄の部屋に持ち込んだ3つの写真立て。
そして彼は選択する。
さみしげで寒々しくも、とても美しい情景が印象的。
ラベル:映画 M
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2017年05月13日

Personal Shopper

Personal Shopper.jpg2016  

Director:

Olivier Assayas

パーソナルショッパーであることがメインテーマではなかった。その職業が意味を持つミステリーを想像していたが、これでは、ただ主人公の職業というだけにすぎない印象。霊と交信するホラー映画だとは。小規模映画であること、ファッションと、主役のクリステン・スチュワートの1人主演で彼女に静かな魅力があること、その雰囲気が醸し出すものはあるが、それに惑わされて期待外れ。
結局テーマである、兄だと確信できる霊と交信することを主人公は果たせておらず、ホラーにしても意味がない。カンヌでも賛否両論だったというこの映画、パーソナルショッパーという職業を通して主人公の願望があらわになっていき、事件に巻き込まれ と、そこを掘り下げていく心理サスペンスにすればよかったのでは?好みによるが、冒頭からモタついていた幽霊話は はなから無しにして。
ラベル:映画 p
posted by JUNE at 21:00| Comment(0) | 映画コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする