ありそうな小説のようなストーリーをイメージできるのと、 予告で展開が読める。しかし、とても美しい映画。
流れに無駄はなく、感情移入ひとしおの集中。悲しくも、 最後まで美しい。これには、映画とは と思いふける。
誰もわるくない、それほどは。 主人公に同情して肩を持ってしまうもので、 どうしても主人公目線だとレイチェル・ ワイズ演じるハナがストーリー上 邪魔者に思えるものだが、実は一番の被害者は彼女。
ただ、アリシア・ ヴィキャンデル演じるイザベルは誘拐したのではないということが 少し似たような話の邦画と違う点。イザベルは、つらい出来事が度重なった直後に やっと手に入れた幸せな時。それを打ち砕く災難を招いた原因は、 悪意があったわけではないから。特に女性なら、イザベルの気持ちを思うと 哀れで 心が痛む。
と 同時に、ハナの立場になって考えると、それも つらい。
このストーリーには もうひとつのメッセージが込められていて、それは 赦すということ。ハナのストーリーも多少なりとも描かれていて、 彼女の行動にも心揺さぶられるものがあった。
‘赦す’ことには、マイケル・ファスベンダー演じるトムの 戦争体験から生じた 彼の心の奥の悩みにも関係していて、 トムを変えた女性イザベルのこと、イザベルにとってのトム、 そして、‘赦す’ことはイザベルにも影響しているのだと、 ラストに近いシーンからわかる。
灯台だけがあり、海と野原と岩壁の 島の情景も とても美しい。
アリシア・ヴィキャンデルの演技は、「リリーのすべて」 よりも断然良いような。
流れに無駄はなく、感情移入ひとしおの集中。悲しくも、
誰もわるくない、それほどは。
ただ、アリシア・
と 同時に、ハナの立場になって考えると、それも つらい。
このストーリーには もうひとつのメッセージが込められていて、それは 赦すということ。ハナのストーリーも多少なりとも描かれていて、
‘赦す’ことには、マイケル・ファスベンダー演じるトムの 戦争体験から生じた 彼の心の奥の悩みにも関係していて、
灯台だけがあり、海と野原と岩壁の 島の情景も とても美しい。
アリシア・ヴィキャンデルの演技は、「リリーのすべて」
マイケル・ファスベンダーは、 感情を表に出さない役柄にも関わらず、安定した名演で、 どんな映画でも彼の演技がいまいちだったことはない。 最近だとスティーブ・ジョブズのイメージに合わず、 思ったより光らなかったぐらいだ。マイケル・ファスベンダーは老けて見えるので、 エンディングの年齢を重ねたトムのシーンに違和感なし。 というのは余談。