2017年07月22日

American Pastoral  「アメリカン・バーニング」

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Director:

Ewan McGregor

ユアン・マクレガーとジェニファー・コネリー夫婦の娘はダコタ・ファニング。
第三者でスタートして 過去にさかのぼるつくりは、原作小説的。しかし、誰??っていう第三者。デイヴィッド・ストラザーン。
ユアン・マクレガー初監督作品にして、まとまりのある、力作ヒューマンドラマ。にしても、ストーリーは最後まで浮かばれない。
言いたいことはわかる。しかし、そんな世相を反映した重めな政治的、社会的ストーリーが アメリカ映画的に繊細さを欠いているのは、少々もったいない。
娘メアリーの変化の描写が唐突にも感じるのはストーリーラインの問題だが、ダコタ・ファニングも現実味に欠ける印象。彼女よりもむしろ、その1つ前の時代の幼いメアリー役の女の子が良い。
愛する娘のことをあきらめることなどできない父親と、精神のバランスをくずし 現実から逃れようとする母親。
時代の流れがそうさせた、幸せな美しい家族の崩壊。
ラベル:映画 a
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2017年07月16日

Fai bei sogni  「甘き人生」

Fai bei sogni.jpg2016  

Director:

Marco Bellocchio

母の死に囚われ続けた男。ロマンス色はほとんどなく、ただただ、大好きだった母が幼い頃に突然いなくなったことがトラウマになり、母の記憶とともに生きている主人公マッシモについて。‘甘くない’彼の人生。
映画の大半を占める印象の 母と過ごした幼い頃の彼の記憶のシーンと、ジャーナリストとして現実を見据えながらも どこかいつも上の空な 現代を生きる彼のシーンが 交錯しながら ストーリーは進む。全てマッシモの視点。
静かで 色のトーンも暗めだが、ときどきコントラストが強くなる瞬間がある。後半のダンスホール。
ベレニス・ベジョ演じる女医によって、マッシモの心は少しずつ解放されていく。あの幼い頃から自分を守ってくれたホラー映画の仮面のキャラクターはもう必要なくなるだろう。
ラストの幼いマッシモと母のかくれんぼ。なかなか母を見つけられず 不安に陥る彼が とうとう母を見つけた、それは母の死の真相を知ったことによる安堵というか、ひとつの区切りのようにも感じられる。
後で考えてみれば、‘落ちる’伏線が何度も出てくる。
ラベル:映画 f
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2017年07月15日

Hjartasteinn  「ハートストーン」

Hjartasteinn.jpg2016  

Director:

Guðmundur Arnar Guðmundsson

まず、これは いったいどこで、どこの国の言葉かと考える。初めて観る雰囲気の景色。舞台はアイスランドの漁村。大自然が広がるが、少し閉塞感のある孤島のような景観、動物が身近にいる環境。
そんな中で成長していく、少年の青春ストーリー。それは、ティーンエイジャーのピュアなものから、家族の問題やセクシュアリティー、小さい村での世間体やコミュニティーと 苦いものまで。無邪気な子どもらしさや 男の子の不器用さもあれば、切なくて、胸が痛くて、絆があって。
少年たちの心を繊細に描く、珠玉のような作品とは これに近い。
雄大なアイスランドの大自然の美しさと、北欧の少年少女の美しい瞳が ただの青春映画とはひと味違う雰囲気をつくり出し、余韻を残す。
ラベル:映画
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2017年07月02日

Toni Erdmann  「ありがとう、トニ・エルドマン」

Toni Erdmann.jpg2016  

Director:

Maren Ade

昨年のカンヌで無冠だが評価が高い、そのため、大きな期待ほどの感動はなかったが、それでも、ドイツ映画で、こういう独特の心温まる映画があって うれしくなるような映画。
仕事大優先の娘イネスを心配して、彼女の赴任先ルーマニアのブカレストに突然現れた父。仕事中もプライベートもおかまいなし、彼女につきまとう。人を喜ばせようとする彼のユーモアは、時に周囲をあきれさせ、イネスにとって はた迷惑。それでも、完全に父を突き放すことはできず、どこか気がかりで。
不器用でマイペースな父だが、イネスは父を通して、自分の生き方を見直すことになる。ビジネス中心の毎日で 忘れかけていた大切なもの。幸せなのか?自分に正直になるには?イネスの中で何かが変わり始める。
促されて大独唱、裸のバースデイパーティー、ブルガリアの“クケリ”と、ユーモラスでコミカルな展開は加速。
トニ・エルドマン役の男優もよかったが、体を張った演技、また何をしでかすかと トニ・エルドマン=父をハラハラ、イライラしながら見入る主演女優は、女優賞もの。
ブツ切れなラストは ユニークでヨーロッパ的。そこで終わることで 考えさせられる。
ラベル:映画 T
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2017年07月01日

Hacksaw Ridge

Hacksaw Ridge.jpg2016  

Director:

Mel Gibson

感動の戦争映画的 大作。
ただ戦地でのストーリーだけではない。前半で主人公デズモンドの人物像が描かれるので、後半の戦地での彼に対する観方はそれをふまえたのものとなり、彼という存在は大きくなる。
前半、その後の彼の思想に影響するような 子どもの頃の出来事から、戦地から帰還後にアルコール中毒となった父と家族のこと、妻となるナースのドロシーとの出会い、戦争中の世相と志願。困難を極めた、入隊してから 彼が衛生兵になるまでのこと。自ら入隊しておきながら、1人だけ かたくなに銃を持たない 信仰の厚いデズモンドを 戦地で理解する者などいない。彼の曲がらない信念、それは。
後半は、悲惨な戦地のシーンが続く。現代の映像技術は、リアルにダイナミックな戦争シーンをつくり出す。
デズモンドは衛生兵として彼の力を発揮するが、彼の勇気ある行動は 周囲の想像を絶するもので、もう神がかっていた。彼にしてみれば、信念に従ったもの、力の限り、もう1人救える、もう1人救える..。
皮肉にも 敵対するのは日本だが、アメリカ軍が戦争に勝利することをテーマとしているわけではなく、1人の兵士の行動にスポットが当たっているもの。デズモンドが日本兵まで救おうとした描写もある。武器を持たない、人の命を奪うことほどわるいことはないという彼の誠心、本来 戦争自体がそれとは反しているわけで、繰り返してはならない、醜く悲惨な戦争の一部を表現しているともいえる。
息つく間もない展開と、人物像の掘り下げ方から 感情移入しやすい構成、戦争映画であり 実話に基づく重みと、まとまりのある大作感。アカデミー賞主要部門ノミネートも納得で、特に、アンドリュー・ガーフィールドの繊細かつ絞り出すような演技は 主演男優賞もあり得たかと。
ヴィンス・ボーンはコメディアンの印象があったが、体が大きく、何より声の大きさに、軍曹役も板についている。彼より上級の指揮官にサム・ワーシントンで、重要な役どころだが、それほどしっくりこない。
メル・ギブソンフィルムでした。
ラベル:映画
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