感動の戦争映画的 大作。
ただ戦地でのストーリーだけではない。 前半で主人公デズモンドの人物像が描かれるので、 後半の戦地での彼に対する観方はそれをふまえたのものとなり、 彼という存在は大きくなる。
前半、その後の彼の思想に影響するような 子どもの頃の出来事から、 戦地から帰還後にアルコール中毒となった父と家族のこと、 妻となるナースのドロシーとの出会い、戦争中の世相と志願。 困難を極めた、入隊してから 彼が衛生兵になるまでのこと。自ら入隊しておきながら、1人だけ かたくなに銃を持たない 信仰の厚いデズモンドを 戦地で理解する者などいない。彼の曲がらない信念、それは。
後半は、悲惨な戦地のシーンが続く。現代の映像技術は、 リアルにダイナミックな戦争シーンをつくり出す。
デズモンドは衛生兵として彼の力を発揮するが、 彼の勇気ある行動は 周囲の想像を絶するもので、もう神がかっていた。 彼にしてみれば、信念に従ったもの、力の限り、もう1人救える、 もう1人救える..。
皮肉にも 敵対するのは日本だが、 アメリカ軍が戦争に勝利することをテーマとしているわけではなく 、1人の兵士の行動にスポットが当たっているもの。 デズモンドが日本兵まで救おうとした描写もある。 武器を持たない、 人の命を奪うことほどわるいことはないという彼の誠心、本来 戦争自体がそれとは反しているわけで、繰り返してはならない、 醜く悲惨な戦争の一部を表現しているともいえる。
息つく間もない展開と、人物像の掘り下げ方から 感情移入しやすい構成、戦争映画であり 実話に基づく重みと、まとまりのある大作感。 アカデミー賞主要部門ノミネートも納得で、特に、アンドリュー・ ガーフィールドの繊細かつ絞り出すような演技は 主演男優賞もあり得たかと。
ただ戦地でのストーリーだけではない。
前半、その後の彼の思想に影響するような 子どもの頃の出来事から、
後半は、悲惨な戦地のシーンが続く。現代の映像技術は、
デズモンドは衛生兵として彼の力を発揮するが、
皮肉にも 敵対するのは日本だが、
息つく間もない展開と、人物像の掘り下げ方から 感情移入しやすい構成、戦争映画であり 実話に基づく重みと、まとまりのある大作感。
ヴィンス・ボーンはコメディアンの印象があったが、体が大きく、何より声の大きさに、軍曹役も板についている。彼より上級の指揮官にサム・ワーシントンで、重要な役どころだが、それほどしっくりこない。
メル・ギブソンフィルムでした。