2017年09月18日

Réparer les vivants  「あさがくるまえに」

Réparer les vivants.jpg2016  

Director:

Katell Quillévéré

薄暗い海、広く荒い海、広い道路から海へ、美しいロケーション、観ているほうが鳥になったかのような撮り方と、ピアノの旋律。この雰囲気と、多くは語らず、俳優の表情や少ない言葉が表現する、繊細さ 。わかりづらくはない、繊細さ。今までに少し無いタイプの なんともいえない、美しい映画。
ストーリーは2方向から。命を授ける者と授かる者。その家族と医師たち。
外科医療現場の内部に迫る話ではないのに、心臓移植手術のシーンをどうしてこんなに長くやるのか。しかし、それによって、命の受け渡しをリアルに感じることになり、より周囲の登場人物の内面を感じられる。

フランス映画祭でスケジュールの都合上観るのをあきらめたこの映画、事前情報なしで、いったいどう展開するのか、想像を超えて、良作。
事前の印象はタハール・ラヒムが主役かのようだが、そうではなく、複数の登場人物が それぞれの視点で。この医師の役が クレジットのトップに名前が出るタハール・ラヒムである必要はあるのか?と初めは思ったが、繊細な映画に彼が出演するのとしないのとでは。
グザヴィエ・ドランフィルムメンバーから2人。
クラシック音楽が静かな感動を誘っていたのに、エンドクレジットで なぜポップスなのだか..。新鋭監督らしさ?
ラベル:映画 R
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Diamant noir  「汚れたダイヤモンド」

Diamant noir.jpg2016  

Director:

Arthur Harari

現代のフランス映画。しかし、カラーが古風で、古いイタリア映画のよう。
一見DVD鑑賞でもよいような陰の作品のようで、いや、これは劇場で集中して全体像を鑑賞するべき、陰で光る、意外とハマる映画。
離れていた一族の中に潜入したことにより、主人公ピエールの目的が揺らいでいく。血縁と潜在能力、伝説と真実。
罪悪感を心に秘めたままニヒルな表情を残して現状維持に至るようなラストなら、意味深な余韻を残す効果はあるが、今ではヨーロッパ映画に関わらず割とある終わり方となる。しかし、それを敢えて。二流アメリカ映画のハッピーエンディングなら逆に印象に残らないところだが、これは原点に立ち返るごとく 心を落ち着かせるとともに 感動が残る。ピエールの心の動きと人間性、彼をとりまく人間関係がより濃く感じられる。
主役では初めて観るニール・シュナイダーは、今風の中性的な若者役にも似合い、古風な映画にも似合う顔立ちだということに気づいた。主役として どれほど彼の演技がよいかはわからないが、主人公の人物像がわかりやすく展開するので、良く観える。
いとこ役はドイツ人俳優で、ダニエル・ブリュールが世界公開的になった頃から ときどき見かける彼で、フランス語が流暢なのには。彼は脇役でもキーパーソンで、存在感あり。
ラベル:映画 d
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2017年09月17日

Sameblod  「サーミの血」

Sameblod.jpg2016  

Director:

Amanda Kernell

人のルーツは変えられないが、生き方を変える、その勇気と行動には、家族を捨てる、民族を捨てる、異なる文化・文明が立ちはだかる、それは計り知れない覚悟と困難を伴うもの。
年老いても、緩和された現代に複雑な感情が追いつかない。一度 自ら民族の血を捨てたのだから。そこから彼女の回想のように。
その後の若い彼女がどう生きてきたのかを知りたいところだが、なぜ年老いた彼女が故郷に馴染めないのか、若い頃の彼女に何があったのかが伝わる。
血を捨てても、姉妹はお互いのことを想っていた。
ラベル:映画 s
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2017年09月10日

Dunkirk

Dunkirk.jpg2017  

Director:

Christopher Nolan

クリストファー・ノーランがノンフィクションの戦争大作映画を撮るとどうなるか。
3方向からのストーリー。主人公は1人ではない。それぞれのストーリーは少しずつ絡んでいく。そのために少々の時間交錯あり、しだいにストーリーがつながっていく。完全につながり、国で各々散らばっていくものと、すーっと通り過ぎて大成の後にストーリーを終えるもの。
やはり今まで観たことのないタイプの戦争映画となった。一般的な戦争映画ではない。ドイツ軍からの攻撃は受けるが、ドイツ軍人と対峙するシーンなどない。戦うことではなく、撤退すること、救出すること、そのサバイバルと人間模様を描く。
映像の規模は大きく、それぞれ違う角度から数人の主要登場人物をとらえ、しかしセリフは少なく、細かいメッセージが各所にこめられたヒューマンドラマ色の強いものに。
そして、映像美。特に空からの映像が 戦争時代の設定さておきの 吸い込まれるような美しさ。
この構成と映像に惹きつけられ、オープニングからエンディングまで展開には目が離せず、各所ほのかな感動が余韻を残す。
キリアン・マーフィー、トム・ハーディーといったクリストファー・ノーランファミリー的 若手実力派俳優と、ケネス・ブラナー、マーク・ライランスといったベテランに、名の知れていない若い俳優の組み合わせも魅力的だ。
ケネス・ブラナー、なんだかとても似合っている。目元たけでも存在感のあるトム・ハーディーは大活躍だが、完全に独り劇で、撮影を想像すると ほとんどのシーンをスタジオの戦闘機に乗っていたのだろうか と。
ラベル:映画 d
posted by JUNE at 15:35| Comment(0) | 映画コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする