2018年01月30日

Detroit

Detroit.jpg2017  Director:

Kathryn Bigelow

鬼気迫る、この監督の映画は実に。
その場に凍りつくような緊張感と臨場感。この状況から早く逃れたい、しかし、逃れられない、一瞬たりとも目が離せない。
不快な内容だが、心を持っていかれる。
主要人物数人それぞれの事件前と後での変化と動きも描かれ。
心が乱される。
実際の映像を織り交ぜることで状況説明を加え。現実の重みが のしかかる思い。
主人公を限定せず、多くは語らず、ざくざくっとシーンを切り換え、一時に集中し、ある人物に注目して追い、我に返って周囲を見回し、一点を見つめ、というような印象の手法。
実際は未解明事件とのことで、観せ方に偏りもあり、日本人の感覚では理解できない、賛否両論あるかもしれない。
人種差別というデリケートなテーマを様々な切り口や方法で表現する映画。それは、スタッフやキャストの挑戦も計り知れず、考えさせられ、娯楽としての観方とは違い、また素晴らしい。

オーディエンスの誰もが最も忌々しく不快に感じるであろう登場人物、ウィル・ポーターの印象は「リトル・ランボーズ(Son of Rambow)」でも いじめっ子の子役だったなと。悪役に抜擢されやすい顔立ちなのか何なのか。「それでも夜は明ける(12 Years a Slave)」のマイケル・ファスベンダーにしても思うが、アメリカ人ではないから、この役ができるのだろうか。


ラベル:映画 d
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2018年01月28日

The Lost City of Z  「ロスト・シティZ 失われた黄金都市」

The Lost City of Z.jpg2016  

Director:

James Gray

若くしてトップの立ち位置に、正義感あり、野望を追い求め、厚く的確な言葉で語り、目上の者を敬い、部下を大切にし、曲がったことはしない、ふざけない、愛する妻と子、と 完璧すぎるのだ、主人公パーシーが。というより、チャーリー・ハナムが という印象。他に出てくる若者は ロバート・パティンソンくらいだもの。
エンドクレジットに、エグゼクティブプロデューサーとして「ブラッド・ピット」の文字。
で もって、けっこう壮大な話で、ジャングルロケや撮影も大掛かりであるのに、未公開枠で上映されるとは。せっかくこの規模の映像であるのに もったいない、ホームシアターレベルの単館では観づらく、伝わりづらい 。
主人公は 劇中、3度の探検と1度の戦争を経験していて、これを全て描くのも珍しい長期戦だが、全体として単調で、探検記録を綴ったもの という印象。アマゾンで危機に直面するシーンもあるのだが。肝心の探検に関わる人間模様は希薄。
心を動かされるような 家族との関わりと その移り変わりも描かれるが、内容的にはありふれた流れともいえる。
ここまで単調に展開して、そこで終わるかー と。彼の記録は、消息を絶った彼とともに消えた。
コンパスが意味すること。信じて待ち続けた妻。その辺は、結末から パーシー・フォーセットの人生のストーリーに思いを馳せる材料となる。

なかなか観る機会が少ないチャーリー・ハナムを 完璧な役の主演で観たということで。彼は歳をとらず若く見えるので、どうも シエナ・ミラーのほうが歳上の印象で、夫婦には。
トム・ホランド?子どものように見えるので、「スパイダーマン」より前だろう。と思ったら、この映画は2016年製作ということで、それほど前のものではなかった。といっても、最新の「スパイダーマン」の製作時 漫画と同じく 主演俳優がティーンなのは初めてだということで注目されていたから、2本とも最近の映画というわけだ。
ラベル:映画 l
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Jupiter holdja  「ジュピターズ・ムーン」

Jupiter holdja.jpg2017  

Director:

Kornél Mundruczó

終始シリアスな東欧風感を漂わせた背景にして、奇想天外映像というのが独特で、「ホワイト・ゴッド」には魅せられ、どこか神秘的なものを感じるのだが。
しかし、今回は いったいどこへ向かっているのか?話はまるで解決しないまま、とりあえず宙に浮かぶ青年が警察の追っ手から逃げ切っただけ。
不思議な能力の原因と それが意味することは、さっぱり解明されず。彼は捜していた父親に会えず。彼は濡れ衣にせよ、テロリストとの関係は不明。
出だしは訳がわからないままに、追われる、近未来の設定なのかと思ったが、そうではなさそうで、ただ難民の取り締まりなのか。ハンガリーの社会的な背景がありそうだが。テロというのは現代的な内容でもある。
主人公なのか准主役なのか、訳ありの医者の男は、無重力青年を金儲けにさんざん利用し、最後は助けたと。2人に友情も芽生えたか。それはよいが、この状況で 全く深みを感じられず。
向かう方向わからぬまま、流れは中だるみ、そして締まらず。
いったい何を表現したいのだろう。今回この映画に特有なわけで 重要であるかに思えた 不思議な出来事~映像~に 意味を期待して、残念。
ラベル:映画 J
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2018年01月27日

Gauguin - Voyage de Tahiti  「ゴーギャン タヒチ、楽園への旅」

Gauguin - Voyage de Tahiti.jpg2017  

Director:

Edouard Deluc

フランスでの少々の前置き後、舞台は、オール タヒチ。
ヴァンサン・カッセルに何かがとりついたかのよう、それは自然に。さすがにゴーギャンの名前くらいは知っているものの、美術に疎い私には 彼の人物像のイメージがさっぱりないので、ヴァンサン・カッセルがゴーギャンとしてどうなのかはわからないが、また今まで観たことのない別人になったといえる。
周囲に理解を示す者はいない、独りでゴーギャンが目指した場所。そこで 成りゆきにより、出会ったミューズは 彼のものとなる。多くを言葉にしなくとも 意思が通じ合っているようで、島での2人の穏やかな日々。
それは、やがて。
自給自足がやっとの生活、彼の作品の価値が見出だされる機会も乏しく、画家としてやっていくことの難しさ。ゴーギャンの体力と価値観でもって、先住民との暮らしは やはり困難を極める。
2人の すれ違う、苦しさ。
ゴーギャンが再び筆を取り、タヒチでテフラを描く最後の時。そこには、彼は画家として、彼女は絵のモデルとして 決意にも似た姿があるとともに、このまま一緒に生きてはいけないことをお互いに悟っている寂しさを感じる。脚色にせよ、重要なシーンだ。
彼がボートで島を去って行く姿、何も語らず、その瞳は何か言いたげで。美しい楽園に、どこか切なさが残る。
ラベル:映画 G
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2018年01月21日

The 9th Life of Louis Drax  「ルイの9番目の人生」

The 9th Life of Louis Drax.jpg2016  

Director:

Alexandre Aja

絶対に事前情報を入れないで観るべき。ヒントを得るのも避けるべき。映画のジャンルさえも意識せず観るとよい。
意外と構成が新しく、似通った映画がないため、読めない結末と心理的効果をもたらすところに この映画のおもしろさがある。
そして、一度観れば、結末がわかれば、おもしろさはガタ落ちする。

若干影のあるポスター写真だが、映画の出だしは意外と、少年ルイの語り、ミシェル・ゴンドリーや ジャン=ピエール・ジュネのような 子どもの想像の世界やイラスト画のようなデザインの ポップな映画かと。
ところが、サスペンス化してくる。
“スペシャル” な少年のパーソナリティーがテーマ?それとも ちょっと違った。
結局ストーリー自体は それほど巧妙なものではない心理サスペンスだが、ポイントは主人公が少年ルイの視点で語られることと、映画のタイトルにもある。これらが意外性を生み出している。それをあまりやり過ぎると筋がズレてきそうだが、ほどよいところで種明かしへ導く。
考え方によっては深い結末であり、現実にあり得るから。病名もある、このような事象を聞いたことがある。
真犯人については最後の最後には種明かし前に察しがつくが、ただ、真相は明かされるまで予想できなかった。
ただ、真相究明の方法と 一部の不可解な出来事については、現実に置き換えると 信じる人も信じない人もいるはずで、私は後者だが、映画をおもしろくするために。
ルイ視点で描かれることは、展開の意外性をつくっただけではなく、最終的に感動を誘うものとなった。
後半に出てくる海藻のお化けのようなものは、子どもだましのようで、昏睡状態で生死を彷徨う精神におけるルイ視点であることを考えると 納得する。
ルイは特殊な能力を持っていたのだろうか。それについては、描き方は非科学的だが、現実的に考えると、普通の子とはちょっと違う精神を持つ子に育つことはあり得る。愛されるべき子どもが 大人の曲がった環境の中で生きてきて、❛自分は大人にはなれない❜ とカウンセラーにルイが言うシーンがあるが、彼は周りの大人たちに対する物の見方が鋭く、大人びている。
人間は、弱く、恐ろしい。そして、親と子には、シンプルにも複雑にも 絆がある。
ラベル:映画 9
posted by JUNE at 12:30| Comment(0) | 映画コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする