2018年02月16日

The Greatest Showman

The Greatest Showman.jpg2017  

Director:

Michael Gracey

完全なミュージカル映画。
同じ製作スタッフだと宣伝してある、去年のこのシーズン特に話題になった「La La Land」はちょっと違うタイプの映画だなと改めて。もちろん監督が違う。
私の唯一好みのミュージカルタッチ映画はロブ・マーシャル「シカゴ」で、監督によってタイプもいろいろ。
この映画は、アメリカ映画王道のミュージカル大作で、万人受けタイプのもの。ステージでのショーと、流れに乗せて歌とダンスの、つまりミュージカル。起承転結がはっきりしていて、苦しい状況を乗り越えて、もちろんハッピーエンディング。オープニングもエンディングもショーでキメる、ミュージカル映画の完璧スタイル。
貧富の差や偏見が色濃く出る時代、現代も完全になくなることのないテーマであり、ありのままの自分に自信を持つこと、あきらめず 逆境から立ち上がり 前を向くこと、手を取り合うこと、一番大切なものを見失わないこと、この映画は これらのメッセージを伝えるショーとして まとめられた大作だ
私個人的な好みとしては..。もともとストーリーの進行途中に急に歌い出すのには違和感があり、セリフが歌詞になるわけで、セリフを読むと 歌とダンスに集中できず、曲やダンスに集中すると セリフを逃す。今回もまさにそれで、さらに、こんな重要なシーンで歌い出すのはやめてくれと.. 感動的なセリフと状況に心から集中しかけているときに歌い出すので 覚めてしまう、私は。
その点、例えば「La La Land」は 今考えると、割とストーリー展開とミュージカルシーンが分断されていて、私にとっては 両方に集中できる映画だ。比較すると「La La Land」はインディペンデント感のある こだわりの 映画だから。~ただ、大勢でのパフォーマンスシーンでは、魅せるけれども ミュージカルとしては手抜きだなと思えるポイントもあった。~
「グレイテスト・ショーマン」の話に戻って、しかし、ショーは華やかで 輝いて、素晴らしい。
ユニークな人たちを集めたら、サーカスの要素だけじゃなく、完璧なダンサーになる? まぁいいか。
車の走る時代に、巨大なゾウに街中を歩かせるのは いいのか? まぁいいか。
ヒュー・ジャックマンは、長身で華があるから、センターに立つショーマンとして、特にこの手の大作に合う見映え。シルクハットまで似合う。体が大きいのは、なんてったってウルヴァリンだもの。もちろん他キャストの魅せるミュージカルシーンもあるが、ほぼ ❛ヒュー・ジャックマンのステージ❜ の印象なのは、やはり彼の存在感によるものだ。彼の トニー賞受賞や トム・フーパー「レ・ミゼラブル」と承知の上だが、Xメンからミュージカルまで、多才だなと。1つ、少年時代のシーンから成長した主人公がプロポーズするには、ヒュー・ジャックマンは歳をとり過ぎているように見える。まぁいいか。
妻役ミシェル・ウィリアムズも若過ぎないので、バランスとしてはよいかな。プラチナブロンドに ふわっとしたワンピースと、お人形か妖精のようなスタイルの今回。役柄的に光らないものの、安定感ある演技の彼女 ~昔は とてもお姫様的でも主役系でもなかったが、いまや~。
ザック・エフロンは、「ハイスクール・ミュージカル」だもの。ちょっと おじさんっぽくなったものの、やっとステージに立ったとき、ヒュー・ジャックマンより小さくとも 彼は彼で やはりセンターが似合うなと。
ゼンデイヤという人は 想像以上に出番が多く、超人パフォーマンスと歌、脚が長いのが印象的。
「ミッション・インポッシブル」で きれいなバランスのとれたニューヒロインだと感じた レベッカ・ファーガソンは、ヨーロッパ的な美しさで、聴かせる歌唱ステージ。しかし、これは吹き替えに違いなく~世界的に有名な歌手の役で、彼女は女優なのだから しかたない~、近年は本人が歌うのが主流なもので、ミュージカル映画としては 美しい歌声でも 心に引っかかるものが。
しかし、見ないようにしても、さんざん宣伝している予告編のヒュー・ジャックマンバージョンが 映画冒頭から始まるとは、勘弁してほしい。
とにかく..、好みや捉え方はいろいろとして、観て損はなし。
ラベル:映画 G
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2018年02月15日

The Good Heart

The Good Heart.jpg2009  

Director:

Dagur Kári

‟グッド・ハート” とは、心のことだけでなく、心臓のこと。
全体的には 地味にコミカルで、ほのぼのした雰囲気に、シリアスな要素もあり、斬新なつくりの映画。
ポール・ダノが いつもの彼の雰囲気でありながら、またしても いい味 出している。
ホームレスの主人公ルーカスは、バーのオーナーで心臓に持病のあるジャックに無理やり雇われ
ルーカスは弱気ながらも 現代に珍しいグッド・ハートの持ち主で、これまでの日陰の生活から 世間と関わるようになり、ちょっとずつ彼らしさを欠くようになる。
悪態をついてばかりのジャックは逆に、ルーカスの心優しい性格に触れるうちに、穏やかな気持ちに。
バーの再開と ルーカスの生活も好転するかと思えたところで..。彼にもっと良い未来を描いてほしかったな。この結果も彼にとっては本望かもしれないけれど。
ジャックはますます穏やかな顔に。グッド・ハートを持つ身となったから。

ノーザンライツ映画特集にて。アイスランド映画で、ヨーロッパ映画ということで、ヨーロッパ人俳優2人以上の出演が必要な規定があるとの話が 監督インタビュー映像で。ジャック役のブライアン・コックスがスコットランド人、ルーカスの前に突然現れて居座ることになる女性エイプリル役にフランス人を起用したとのこと。そんな決まりがあったのかー。
ラベル:映画 G
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2018年02月12日

Trespass Against Us  「アウトサイダーズ」

Trespass Against Us.jpg2016  

Director:

Adam Smith

原っぱとはいえ、冒頭から、何やってるのか、危ない、ただ楽しく車に乗っているだけといっても これは違法。さらに、子どもじゃあるまいし。普段から 飛ばす、飛ばす。車と家族、そして犬。低温の響く爆音。
トレイラーハウスで暮らす彼ら。どうやら収入源は..。
確かに、邦題のとおり、“アウトサイダーズ” なのだ、彼らは。
ただ、「アウトサイダー(
The Outsiders」は過去の映画タイトルにもある上、その ひと言で表現するには ふさわしくない。
親が親なら 子も子だ。初めはそう思えたが。
主人公チャドがなかなか足を洗えないのは、自分のこの人生を受け入れているからだ。だからこそ、自分の子どもたちには同じ道を歩ませないように、妻と子のために、この生活から抜け出して まともな暮らしに変えることを 彼なりに考えている。しかし、邪魔が入る。
縁を切ろうとしても、チャドにとってはどこか大切な父親、なかなか離れられない、逆らえない。父がつくった ❛
家族❜、悪事の発端も父、邪魔をするのも父、家族をコントロールするのは父。
しかし、やはり チャドが思うようにいかないのは 自業自得でもある。
社会の秩序を乱して暮らす生き方は、彼らをアウトサイダーに追いやる。犯罪を起こしたなら 捕まって当然。
しかし、かなり荒手の犯行で、よく証拠なく逮捕されないものだ..。
マイケル・ファスベンダーだから この小ぶりな映画に注目したわけで。素行のワルさもやってのけ、荒くれ者だが、自分の境遇に葛藤するナイーブな一面、子どもたちに対する優しい眼差しと言葉。彼だから観られる。
愛嬌のある息子タイソン役もなかなか良い。タイソンは、幼い彼の目で 家族のいろんなことを見ている。学校で習った “フィッシュ” のこと、祖父には否定されたが、タイソンの純粋な子ども心に刻まれていることが、新しい犬の名前からわかる。
誰もがチャドの行く末を認めるしかなく、見守るようなエンディング、木の上のシーンに込められたものが とても良い。そして、カトラー家らしさの締め
ラベル:映画 T
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2018年02月10日

Grzeli nateli dgeebi  「花咲くころ」

Grzeli nateli dgeebi.jpg2013  

Directors:

Nana EkvtimishviliSimon Gross

東欧 ジョージアとは。
日常的な争いごとは どこの国でも同じようなもので、家族の喧嘩や 姉妹弟関係、学校でのトラブル、不良少年..。
しかし、荒廃を残す社会が背景にあり、不安定な情勢の中で生きる庶民の表情を観せる。
親友ナティアとは対照的に、内向的な性格の主人公エラ。彼女は、訳ありで不在の父のことや親友のことを思って大切にする、周囲に流されることのない、勇敢な心を持つが、それをうまく表現できないことも。彼女にとって 周囲は理不尽なことばかり。
少女が大人になっていく成長過程、エラの眼差し、複雑な感情が伝わる。
いろんな複雑な思いを内に秘め、無表情で突然躍り続けるエラの無機質だが華麗なダンスは 印象的だ。
エンディングも それまでと同じく素朴な流れでありながら、効果的な余韻を残す。
先進国に生きていると考えさせられる国柄、人間らしさを感じる、瑞々しい映画。
ラベル:映画 G
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2018年02月07日

The Secret Scripture  「ローズの秘密の頁」

The Secret Scripture.jpg2016  

Director:

Jim Sheridan

第二次大戦下のアイルラントとイギリスの対立する関係、宗教的背景、教会の隠蔽と、重い話であり、人生を大きく左右された主人公のロマンスの話であり、奇跡の話であり。
ローズは、そんな時代に翻弄され、また美しさゆえ、罪もなく、過酷な道を強いられてきた。年老いるまで独りで信じ続けた彼女がとうとう報われること、それは本当に良い話で。
しかし、結末は そっち?! ちょっと無理やりに思える、いや、大きな奇跡というわけだ。
そもそも、なぜドクターグリーンは彼女を看にやって来たのか。冒頭、彼が実父に結びつけられた何か、それに触れるシーンがあったか? でなければ、あまりにも偶然過ぎる。
何にしても感動的なのだが、どうも完全にしっくりこない点は、結末につながるところは最大で、他にも細かいことを考えると、ところどころ つくりが粗いような気もする、もったいない。
重要な役どころなのに神父の人物像が希薄。なので教会の動きも希薄。神父個人的にローズのことを好きなのはわかるが、神父という独特の職業像も 彼からはうまく描かれず。
英国兵士のマイケルとローズが惹かれ合うのも 初めから見え見えではあるが、大きな愛の物語を描くには 足りない。
ローズが聖書に書き記した日記、これは流れの中で度々取り上げられるが、この重要参考物に もっと大きな意味を持たせてもよいかと。真実が予想もしない全く違うところから出てきたものだから、彼女の日記の存在が薄れてしまう。
老いたローズの口から語られる、また聖書に綴られた彼女の日記から、映画の大半、若い頃のローズ、ルーニー・マーラを主人公として観ている。映画として よくある手法で、現代には聞き手役が。それがエリック・バナである必要あるかな?と初めは思ったが、こういうことなら、無名俳優だと、さらにポカンとしてしまうところだった。
ルーニー・マーラは、やはり孤立的で猟奇的な雰囲気、儚く、したたかにも観える、個性的な魅力あり。
マイケル役の彼は 重要な役をやるには印象の薄い人だが、劇場公開期間を同じくして「デトロイト」でアメリカ人警官役の3番目くらいに悪い印象の人物として観たばかりなので。今回はイギリス人役だけれども。

ラベル:映画 s
posted by JUNE at 20:26| Comment(0) | 映画コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする