2019年01月27日

The Wife  「天才作家の妻 40年目の真実」

The Wife.jpg2017  Director: Björn Runge

一発逆転、名誉挽回しては?愛想尽かしてと もどかしく思えるが、ゴーストライターのスキャンダルを暴く内容の映画ではない。妻であること、女性であること、夫婦の形が 心に引っかかる。
記者の言うことが図星であっても、他人にはわからない、夫を支える妻として 今まで積み上げてきたもの、そう容易くはないのだ。過去のシーンを挟み、現在があり、観えてくる。男性社会で 才能を秘め、自身を犠牲にし、出会った頃からつくられてきた2人の関係。
仲睦まじい夫婦ともに喜びのオープニングから、授賞式の数日の出来事により ジョーンの溜まったフラストレーションは爆発、崩れていく。
夫のこの結末がなかったなら、ジョーンはどう行動しただろうか。戻ったに違いない。夫しだいで気持ちが離れていくかもしれないが、きっと彼女は。なぜなら 夫のことを愛しているから。
しかし、機内のラストシーンは、彼女の今後を予感させる。
ジョーンの気持ちの繊細な描写、ところどころで観てとれる夫婦関係、最後まで 文学小説的な運び。
グレン・クローズの目が ジョーンの心を表現する。家族の幸せを心から喜ぶ彼女、我慢して 自分の胸の内だけで決着をつけようとする彼女。
メガネのクリスチャン・スレイターは なかなか記者役が似合い、そういえば過去 ヴァンパイアにインタビューもしていたなと。
ラベル:映画 w
posted by JUNE at 23:30| Comment(0) | 映画コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Suspiria

Suspiria.jpg2018  Director: Luca Guadagnino

魔女の呪いの話。悪魔祓い的な。祓ってないか。
ドイツ、寮付きのダンススクール。冒頭は 不可解なカメラの動きと効果音だけで、何も起こってないが 不気味な感じがするだけ。そして、怪奇現象によるダンサーの死と、怪しい先生たち。それがダラダラ続く。映像は気持ち悪し、カルトホラーらしく。有名なホラー映画としてオリジナル版もある~未鑑~わけで、カルトホラーというものはこういうものだろうけれども、不快な映像を見せられるだけで、理解する必要もないようなストーリー、つまらないと思ってしまう。が、カルト的な精神論を語れる人には 深いものがあるのかもしれない。
3タイプのティルダ・スウィントンが出てくるという事前情報が入ってしまったため、~2人しかわからなかったが 噂はある~ 特殊メイクをした人がこの役をやる必要が?というところから気づくが、見事な老父で、性別を超えるなんて。言われなければ 絶対にティルダ・スウィントンだとは気づかない。しかし、彼女がこの老人役までやる意味があるか?そのあたりの深い解釈をする人はするだろう。
ルカ・グァダニーノ監督の映画複数に出演のティルダ・スウィントンは 独特な奇妙さで適役だが、2本目のダコタ・ジョンソンは普通過ぎないか?
エンドロールのデザインがおしゃれで、ここの音楽だけが心地よい。この映画の音楽を手掛けたのは トム・ヨークらしい。
ラベル:映画 s
posted by JUNE at 19:45| Comment(0) | 映画コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月26日

Jusqu'à la garde  「ジュリアン」

Jusqu'à la garde.jpg2017  Director: Xavier Legrand

ん?! キツネにつままれたようだが、予想外の恐怖感はあった。ホラー映画ではないのに、背筋の凍る臨場感。
真相解明を待つこと..。ストレートな話?どうやらキャッチコピーに踊らされた。
いや、ジュリアンの様子がおかしいこともあった。‘アイツ’ も怪しい。家裁のジュリアンの陳述書は全て本心だった?どちらかが嘘をついているって。母には男がいる。姉は妊娠したようだ。パーティーの最中に 聞こえない物々しい動き。
父が暴力的であることは確か。見た目にもいかにも悪そうで、しかし 何か裏にある、初めから、硬い表情の裏に母が隠していることや、いつも憂鬱な表情で 時には怯えている ジュリアンが幼いながらに嘘をついたり 知っていて隠していることがあるように観せておいて。
気にならせて、気にならせて、謎のまま。それが狙いだ。異色の映画ではある。
ラベル:映画 J
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2019年01月20日

◇番外編◇ Bread and Roses

Bread and Roses.jpg2000  Director: Ken Loach

アメリカ移民労働者の闘い。労働条件改善を求めて活動する労働組合と、不当な労働条件で 家族のため、生活のために働く当事者たちの複雑な現状。
メキシコから不法入国した主人公マヤ、無鉄砲だが、彼女自身が現状を見直し、心を動かされ、必死にやっていく姿、家族や仲間との関わり。
完全なハッピーエンディングにはしない、最後まで現実を突きつける ケン・ローチフィルム。そんな中、マヤと姉との絆に希望を感じられ、ほろ苦さと温かさ、問題意識の余韻を残す。
感情移入しやすく、社会問題に切り込む、さすが ケン・ローチ。
タイトルの “ブレッド&ローズ” とは、1912年に実際に移民労働者が掲げたスローガンに由来するということ。‘パン’ は最低限の生活、‘バラ’ は豊かに生きるための尊厳の意味を表している。
ラベル:映画 b
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◇番外編◇ A Bag of Hammers

A Bag of Hammers.jpg2011  Director: Brian Crano

現実はそんなに甘くないにしろ、若者が直面して初めて 自分がどうにかしなければいけないと考えたこと、自分の生き方を見直したこと。緩くコミカルなタッチで、観やすく社会問題に触れたもの。
ありそうで、しかし 不意打ちの見事なクライマックスの展開。出だしから緩いタイプの映画なのだから、オチが そうであってよかった。考えさせる魂胆だとしても、だんだんシビアになって 堕ちに堕ちてしまうのでは違うから。
と、思わぬ良い映画となった。成長したケイシーが全寮制の学校に入学する時であろうシーンまで 微笑ましくて良い。
そこで終わればいいのに、なぜ? 最後のオマケシーンのようなものは必要ない。まだ続きが?という しつこさと、彼らはまだ犯罪を?という失望。コメディータッチのためスルーしがちだが、考えてみれば、そもそも、納得できるような理由もなく 人間的に問題ありの犯罪を平然とできる人物なんて。
ついでに、コメディーだからといって オマケシーンの彼女の暴言も 美しい最後には不必要。
と いうわけで、インディペンデント映画風で 粗削りだが、想像よりずっと良い映画。
ラベル:映画 b
posted by JUNE at 16:00| Comment(0) | 映画コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする