2019年04月13日

Lean on Pete  「荒野にて」

Lean on Pete.jpg2017  Director: Andrew Haigh

主人公が ‘有名若手俳優の名演’ という感じではないのがよい。純粋な少年らしさ。チャーリーの はにかんだ笑顔と 心配する瞳。
だらしなくても チャーリーにとっては大事な父親、2人が住む町から ロードムービーへと、彼の不運な境遇が展開させる。
スティーヴ・ブシェーミ演じるデルも 武骨だが わるい男ではない、事実、デルのおかげでチャーリーは仕事をもらえた上、好きな馬に関わることに。ただ、またそれが チャーリーの運命を過酷な方向へ導くことになる。
苦しくても不満をもらさないチャーリー、学校へも行かせてもらえず、現在は友達もいない、唯一本音で話せるのはピート。チャーリーのピートに対する思い入れがどれほど強いか、それは彼の行動からもわかり、その後ピートに起きたことにより チャーリーがどれだけ傷つくか、胸に突き刺さる。そして チャーリーはまた独りになった。
極限の状況で彼の行動も狂っていくが、最後まであきらめず、大きく道を踏み外さなくてよかった。
マージ叔母さんの反応に若干違和感を感じる。チャーリーのこれまでの壮絶な道のりからすると あっさりし過ぎているような。重要なシーンだから。
とうとう辿り着いた先で、これまでいろんなことがあり過ぎて 混乱しているのだろう。大きく感情を表現することのないチャーリーが 大人に気を使いながら 安心できる自分の居場所を見つけたく、不安を口にする。
荒野の映像は、寂しく不安がつきまとうものの、広大で美しい。果てしなく続く自然、夕陽に影を落とす大木、ほっと一息つくチャーリーを観る 湖のすがすがしさ。邦題、‘荒野’ という割には、荒野が舞台なのは映画全体の1/3。ただ、自然の中のシーンでなくとも、父と住む町、辿り着いた町、どこに居ても チャーリーの進む道は荒野なのだ。
ランニングするチャーリーに見える景色は 前とは違ったものだろう。希望を感じられるが、振り返ったのは?これまで目にしてきた見たくないこと、母のこと、父を助けられなかったこと、ピートを救えなかったこと、簡単には振り切ることのできない過去だろう。余韻を残す。
ラベル:映画 l
posted by JUNE at 23:00| Comment(0) | 映画コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Beautiful Boy

Beautiful Boy.jpg2018  Director: Felix van Groeningen

美しさと痛々しさの対比、‘雰囲気の映画’ の仕上がりでもあり、小ぶりな作品だが、スティーヴ・カレルと 話題のティモシー・シャラメの出演により 中規模以上の映画の印象に。なので、終始 時間交錯で展開することによる曖昧さと 状況のよくならなさに、多少の思い違いと 疲れが。
息子と父それぞれの視点で描かれ、どちらかというと スティーヴ・カレルの視点である印象を受ける。
優秀な愛する息子、美しい家族が薬物により壊れていく。努力しても八方塞がりの 苦悩と葛藤、家族の形。
エンドロールに入って席を立った人、エンドクレジットの終盤に 観るべきものが残っていることもある。ティモシー・シャラメの声で 長い詩の朗読が。気分の晴れるような内容ではないが、最後の最後にまでアーティスティックさが観られる。
ラベル:映画 b
posted by JUNE at 19:00| Comment(0) | 映画コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする