2019年06月22日

Amanda  「アマンダと僕」

Amanda.jpg2018  Director: Mikhaël Hers

テロと家族の喪失、複雑な家庭環境と ストーリーの背景にあるものは明るいものではないのだが、主人公の緩い雰囲気と 子どもとの関わりにより、パリの街も穏やかに観える。(主演のヴァンサン・ラコストが東京と比較してパリが汚いと言ったのだけど)舞台のパリが美しく、柔らかく、優しい映画。
仲のよい姉を突然失い、若くして 残された7歳の姪を育てることなんてできるのか、どうすればよいかわからず悩む主人公ダヴィッドの 不器用ながらも 愛情を持ってアマンダに接する姿。毅然としているが、彼女なりに心を整理しながら感情と闘う、子どもらしく愛らしいアマンダ。
ダヴィッドとアマンダには 温かい希望を感じられ、ダヴィッドのガールフレンドのこと、母親のことも 完全ハッピーな成りゆきではないけれども、わるくはない流れ。全てをはっきりと結末づけない、粗削りのようで、優しく まとめられた、観心地のよい映画。
ラベル:映画 a
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2019年06月12日

◇番外編◇ Short Film Fes. 2019

International program 1

3401.jpgvol.1 SKIN  (Guy Nattiv 2018 USA)
冒頭から重い内容で、しかし ショートフィルムであることを忘れる見応えのあるもの。幼い子どもの目に 人種差別はどのように映るのか。両側の子どもの視線が印象に残る。白人至上主義のチンピラ集団と 闇の動きの黒人集団、そこに それぞれの家族の姿を観せる。核となる展開以外にも 間接的に ‘skin’ に関する子どもの会話が。あまりにもひどいことをした、その報復は相手にとって何より皮肉なひどいもので、それも自業自得、さらには 愛する幼い息子の手によって、自分が教えた銃で、自分が教えた敵だと見えることによる、皮肉な結末。

3402.jpgvol.2 Your Call Is Important To Us  (TJ Power 2017 オーストラリア)
とてもユニークな作品で、コールセンターのメンバーの大げさな演技がうまい。ショートフィルムではこういうのを観たいもので、おもしろいのだが、オチがいまひとつ。彼らが “チームワーク” で得ている対価は?

3403.jpgvol.3 Vetro  (Matteo Petrelli 2018 イタリア)
死と その代わりの生。同性婚と高齢出産にも言及する、現代的な内容も散りばめて。実際 事故に直面すると冷静な行動をとれないものではあるが、動ける男性1人の動きがわるく、テーマはわるくないのに、間延び。


Shibuya Diversity program

3096.jpgvol.6 Anniversary  (Angelica Germanà Bozza 2018 ドイツ)
ドキュメンタリーかと。そうではないのだろうか?似ている似ていないではなく、本当の父娘に観える。悲しい状況でも、優しく 料理が好きで 娘を笑顔にするパパと、パパを慕う
娘の関係が良く、娘の言葉で語られる。子どもの頃から慈善の行動をとる、この子は必ず立派な大人になる。


Andaz Tokyo 5th anniversary program 2
~全体的に良い意味でくだらないストーリーの小振り作品ばかりで、これぞショートフィルム~

3011.jpgvol.1 My Best Friend is Stuck on the Ceiling (Matt Vesely 2016 オーストラリア)
挙動不審な男性。彼女のために準備した珍しいいプレゼントが引き起こす、摩訶不思議な出来事..。大切なのは気持ちだと、彼女に伝わって めでたし。


3012.jpgvol.2 Twisted  (Stuart Bowen 2014 オーストラリア)
バルーンフラワー1つから始まった バルーンアートバトルがエスカレート。割とおしゃれな男性たちが 真面目にバトルを繰り広げるものだから。また、どんなに武装しても武器を使っても バルーンだという..。そして 勝敗はバルーンらしく..。

3015.jpgvol.5 The Bathtub  (Tim Ellrich 2015 クロアチア)
母の誕生日に 子どもの頃の写真を再現しようとする、いいおじさんたち3人兄弟。口喧嘩が始まり、進まない.. シチュエーションはわかった、このやりとり ちょっと長いのだが、それでも 自然で、なんて微笑ましい。


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2019年06月08日

Aladdin

Aladdin.jpg2019  Director: Guy Ritchie

ウィル・スミスは脇役ではない。迫力と大きさ、ソロの歌も意外と多く、主役をさらった、というより 違う角度の准主役となった。ウィル・スミスのハイテンションは 初めちょっとやり過ぎかと思うくらいだったが、慣れてきた上、楽しく盛り上げるスタイルの映画なのだと。コメディセンスもあり、鍛えられた体つきの彼であり、ラップミュージックも得意だろうから、珍しい役柄が やたらに板についている。アラジンとウィル・スミス=ジーニーの ボケとツッコミのような掛け合いもわるくない。
タイトルからしても主人公はアラジンだけれども、ディズニープリンセスキャラクターとしてジャズミンが挙がるわけで、ヒロインもダブル主演の扱い。舞台がアラブの国の設定とはいえ、主演の2人の英語が美しくてよかった。英語圏の俳優が他国籍の役のために わざと訛りのある英語をしゃべるのは本当に聞きづらいから。かといって、主演2人を白人俳優が演じるのも設定に違和感あるだろうし。
さらに 歌える俳優でなければいけないので、ジャズミン役は とても良い声をしていて、美人で、適役。gleeに出ていなくてよかった..。
アラジン役は、踊れる人なのではないか?パルクール的なアクションシーンもあり、身軽な身のこなし。生活のために盗みを働き 言葉使いも不器用だが、お人好しなアラジン役をチャーミングに。
ディズニーパレードのような華やかなダンスシーン等 映像の豪華さで魅せる。そして、魅力的なキャラクター性と、コミカルなノリのよさ、アクションシーンを加えた展開で惹きつけ、広い視野を持つこと、欲望は人のために使うこと、その心意気によって報われる というような教えを 正義と悪のストーリーに乗せて。
基となるのは ‘アラジンと魔法のランプ’ ではあるけれども、ディズニー定番作品のディズニー映画は、大人も観られるものに。次々に 次回作が前作を超えなければならないとなると大変だ。
オープニングからエンディングにつながる話も 予想つかず、納得、メインのストーリーとは違うラインで 素敵なストーリー。
ガイ・リッチーフィルムであることを忘れていた。ディズニー作品にガイ・リッチーだなんて。考えてみれば、早送り映像のようなシーンが多く観られた..。
ラベル:映画 a
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2019年06月01日

Todos lo saben  「誰もがそれを知っている」

Todos lo saben.jpg2018  Director: Asghar Farhadi

ファルハディ監督作は いろいろやって もうちょっとのところで未解決の結末.. それを覚悟しなければいけない。しかし 今回は決着をつけただけ満足、角度を変えて濁すエンディングだけれども。わざと観せて濁した 解明したが解決してない結末以外も、全てが丸く収まったわけではない。犯人は野放し、イレーネの実父の件も 農場の件もすっきりせず。そこまでの 家族・関係者を巻き込んで どんどん追い詰められる感覚の群像劇は、さすがファルハディフィルムといったところ。映画のテーマは 誘拐事件自体ではなく、事件をきっかけとして乱れていく身内関係であるのが ファルハディフィルム。
しかし、決着がついたことは何よりだけれども、タイトルからして もっと巧妙な真相を期待したものだから、意外ではあったが、なるほど-な おもしろい結末とは言えない。
ところで、ペネロペ・クルスとハビエル・バルデムの夫婦共演が話題になった今作、スペインが舞台というのも良く。ラテンの陽気な結婚披露宴も楽しそうだが、停電にはご用心。
ラベル:映画 T E
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Wspomnienie lata  「メモリーズ・オブ・サマー」

Wspomnienie lata.jpg2016  Director: Adam Guzinski

繊細な少年の瞳が印象的。子どもらしい笑顔と、孤独や苛立ちを胸にしまい込んだ表情。その背景には ポーランドの田舎町の自然、湖や遊園地といった映像の美しさ。12歳のピョトレックの目を通して、瑞々しく描かれる。
大好きな母と過ごす夏は、きらきら輝く思い出と、その影で ピョトレックの人生に影響を与えるような不穏な様相を観せていく
ピョトレックは感じ取っていた。母の不貞な行動と感情の起伏、憤りを感じても 誰より大切な母のこと。近所に移ってきた少女マイカに対する初恋と歯痒い気持ち、プールで出会った眼鏡の少年に対する後悔と安堵と複雑な気持ち。
いくつかの出来事、それは全く明らかにされることはなく、あくまで少年の視点で、それでも何が起こっているか想像がつく。そして、あからさまではなく、“記憶” であることを表現すること。その手法の素晴しさ、美しく穏やかな映像の中で 目に焼き付く。
ポーランド映画。
ラベル:映画 w M
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