ブラックコメディー。ほぼ全てのやりとりが複数のカテゴリーにお いて批判の対象になるようなもの。カーステレオの穏やかな音楽や 自然に囲まれたロケ地の雰囲気に反する内容で、独特な素朴さがま た冷酷で不快、しかし限られた登場人物に最終的にはある程度は愛 着が(?)。マッツ・ミケルセン~ちなみにアダムは彼ではない~ をデンマーク映画で。
2019年10月23日
2019年10月18日
Robin Hood 「フッド:ザ・ビギニング」
言えばロビンフッドはイギリスの伝説にも関わらず ケビン・コスナーやラッセル・クロウはイギリス人ではなかったが 、今回タロン・エジャトンはイギリス人だけども、 アメリカ映画的な作品だ。なにかと大袈裟にも観えるが、 それがアクション大作というもの。
冒頭、泥棒に一目惚れの主人公ロビンとマリアンとの恋愛話は やたらに早送りみたいな展開で、尺を縮めなければ感がある。
アクションシーンは迫力あるが、全体的に近距離で撮っている印象 で 目まぐるしい。独りで大掛かりな盗みをやるなんて、ジェイミー・ フォックスも指導するのはいいが、多勢に無勢ってことは考えない のか。しかし ここは 魅せるアクション、タロン・エジャトンにかっこよくキメさせる意 図が観える、とりわけ弓さばきで。
馬が牽く暴走する貨車のシーンは見せ場だが、ライトの当たり具合 なのか、舞台がセットに見える。数少ない引き映像のノッティンガ ム設定の景色はきれいだが、全体的にセット感のあるロケーション に見えるのだけど..。
ジェイミー・ドーナンと肩を並べるには、タロンは若く見え過ぎる 。ロビンとウィルの関係は重要なので、いまいち2人がマッチしな い気がする。端折り過ぎで、これだとロビンは無謀、 ウィルは最終的にありきたりの展開で いまいち納得いかない。ウィルは悪い人ではないから 気の毒でもあり、彼の考え方と立場により生じたズレだ。ところで 、ウィルという名前からすると クリスチャン・スレイターと同一キャラクターだろうか、ずいぶん 印象が違う。
戦いも終盤、ロビンとマリアンがウィルは?って気づくの遅くない か..。それにしても、マリアン以外に若い女性が出てこないが、 彼女は国を動かすほど2人の青年を虜にしているよう。
大きい映画に定番の悪役は、アメリカ人ならサミュエル・エル・ジ ャクソン、でなければ、クリストフ・ヴァルツか、この人 ベン・メンデルソーン。今回も悪い目力と悪態、戦わない悪役。
ジェイミー・フォックスは 同一キャラクターではないけれど モーガン・フリーマンを意識した役柄だ。ジョンは 初めは敵だったわけで悪そうでもあり、ドライバーでも~ほとんど 戦っていたのはロビンだから~強そうで、人情味もあり、安定して 観えるのだけど。
ジェイミー・フォックスに対するタロン・エジャトンは ちょっと生意気に弟子入りしたような役で、しかし Kingsma n の師弟関係が絶妙で~どうやらCG満載なのにマシュー・ヴォーン のこだわり企画にはまってしまったため~、さらに Rocketman が日本では先に公開したため、どうもアメリカ大作映画の主人公と して違和感が。
聖職者タック役がなかなかよい。オープニングとエンディングの語 りが彼なのも、最もイギリス人風の口調で、どの立ち位置の人物が 語るかという意味でも妥当。
こういう映画にはすかっとする締めが欠かせず、ラストまで~どこ かで観たことあるような気はするが~魅せる演出ではあった。続く ..のか?..もし続くとしたら このバウンティーハンター画は使えるのか..?
エンドロールはコミックの映画化のような現代風。
話題になっている プロデューサーのレオナルド・ディカプリオは今回 何度も映画化されているロビン・フッドの何に魅せられ表現したか ったのかな。リドリー・スコットの Robin Hood は 高原の騎兵隊の規模の大きさ、主演俳優が実際に馬に乗ってアクシ ョンなど 実写の歴史スペクタル感、もっと重みのあるものだったが、今回の 映画は実写とCG融合の アクション エンターテイメントといったところ。
冒頭、泥棒に一目惚れの主人公ロビンとマリアンとの恋愛話は やたらに早送りみたいな展開で、尺を縮めなければ感がある。
アクションシーンは迫力あるが、全体的に近距離で撮っている印象
馬が牽く暴走する貨車のシーンは見せ場だが、ライトの当たり具合
ジェイミー・ドーナンと肩を並べるには、タロンは若く見え過ぎる
戦いも終盤、ロビンとマリアンがウィルは?って気づくの遅くない
大きい映画に定番の悪役は、アメリカ人ならサミュエル・エル・ジ
ジェイミー・フォックスは 同一キャラクターではないけれど モーガン・フリーマンを意識した役柄だ。ジョンは 初めは敵だったわけで悪そうでもあり、ドライバーでも~ほとんど
ジェイミー・フォックスに対するタロン・エジャトンは ちょっと生意気に弟子入りしたような役で、しかし Kingsma
聖職者タック役がなかなかよい。オープニングとエンディングの語
こういう映画にはすかっとする締めが欠かせず、ラストまで~どこ
エンドロールはコミックの映画化のような現代風。
話題になっている プロデューサーのレオナルド・ディカプリオは今回 何度も映画化されているロビン・フッドの何に魅せられ表現したか
2019年10月15日
Gräns 「ボーダー 二つの世界」
主人公自身が特有の能力を持ち、野性的な何かがある、とんで もないことが起こりそうな奇怪な雰囲気は、ホラー映画よりも不 気味だ。事前情報なしで観たほうがよい、それはどんな映画にも言 えることだけども、もう何が起こっても驚かない。それでもストー リーはちゃんとある。ヴォーレとの出会いにより、自分の出生の秘 密を知る主人公ティーナの話、それぞれの行動に対する動機は彼ら の会話から把握できる。
ティーナが人間らしい心を持っているのは 義理のお父さんに娘として育てられたおかげでもある、そこが人間に復讐心を持つ、虐げ られてきたヴォーレとの違いで、ティーナは自分の能力を生かした 仕事に就き、少数ながら彼女を信頼する人も周囲にいる。しかし、彼女が抱えた孤独や劣等感、人と違うという不審感は計り知れず、優しい父を許せないほど。ラストのティーナの微笑みを観て、 自分だけではない、真相を知ったティーナが幸せになるには 、本能のままに生きる道を選ぶことなのだろうと。
普通の人間ではないかもっていう北欧の映画は他にもあったが、外 見が若くて美しいのか、醜いタイプなのかで かなり印象は違ってくる。特殊メイクがこれまで観たことのない、人間らしくも動物らしくも あり、本当に染色体によるものかのように2人の顔が似ている。
確かに、性別、容姿、習性、それらのボーダーは誰が決めたのか、 マイノリティーだと疎外される不公平な世の中。日本ではトロールの伝承に馴染みがなく ピンとこないが、ダークでグロテスクな神秘の映像に、 非現実的な内容でもリアリティーがあり、美しいファンタジーとは言えないけれども、メッセ ージがある。
ティーナが人間らしい心を持っているのは 義理のお父さんに娘として育てられたおかげでもある、そこが人間に復讐心を持つ、虐げ
普通の人間ではないかもっていう北欧の映画は他にもあったが、外
確かに、性別、容姿、習性、それらのボーダーは誰が決めたのか、
Le retour du héros 「英雄は嘘がお好き」
メラニー・ロランの天使のようなかわいさを引き立たせるコスチューム の19世紀初期。内容は軽いフレンチコメディーで、とにかく衣装、セット、ブルゴーニュの街並が美しい。嘘つきでお調子者な色男役が似合うジャン・デュジャルダンの長い髭、赤い軍服で白馬にまたがる出で立ちがまた似合う。デザインの美しさには、不謹慎にも、コサック隊に対して大砲で立 ち向かう騎兵隊のシーンまで絵になると思える。
家族のコミカルさチームプレイは上々。全体的にた いして笑えるコメディーではないが、決闘だとかでジャン・デュジャルダンの1歩が大きいのには つい笑ってしまって負けた気がした。
彼を追い出すべく、頼もしいメラニー・ロランを応援するも、ぬけぬけと食い下がるヌヴィル大尉。彼が一度だけ本当 の自分の気持ちを見せたであろう時、空気は変わったものの、 コメディーはコメディーで、痛快でもないが、これでよし。
2019年10月11日
La vérité 「真実」
絡み合う嘘と真実..というサスペンス調を予感すると違う。真実というのは、ささやかで繊細なことだけれども、母娘にと っては確執を取り除く重要なもの。真実の鍵となりそうなサラ叔母さんに ついては、家族に関わる事実があるが、それは母娘の関係を紐解い ていくきっかけとなるだけだ。
表面的に見えていることと 長い間心の底にあるもの、それぞれの性格や プライドにより抑えていたり、表現のし方により わかり合えないこ と。
他人ではないからこそ 一言一言が気に障ったりするもの、でも放っておけなくて、素直に 気持ちを伝えられないけれど わかってほしくて、そんな様子が伝わってくるジュリエット・ビノシュの演技は超一流、 娘リュミール。
母ファビエンヌの プライドと強がりと自由さ、チャーミングな一面を 女優の役だけに本人と重ねてしまうカトリーヌ・ドヌーヴ。そんなファビエ ンヌにも ふとした時に心の動きが観える。
第三者の話から気づくこともある。そして、お互いに歩み寄り、打ち明け、わだかまりを解いて、母と娘の絆が。フワッと和ませて、不意に 胸に響くような ウィットを利かせた優しいオチもある。
他人ではないからこそ 一言一言が気に障ったりするもの、でも放っておけなくて、素直に
母ファビエンヌの プライドと強がりと自由さ、チャーミングな一面を 女優の役だけに本人と重ねてしまうカトリーヌ・ドヌーヴ。そんなファビエ
第三者の話から気づくこともある。そして、お互いに歩み寄り、打ち明け、わだかまりを解いて、母と娘の絆が。フワッと和ませて、不意に
リュミールの娘シャルロット役の女の子のかわいいこと。ファビエンヌを取り巻く男性たちもそれぞれに温かく、長年仕え るリュックの穏やかな眼差しや。言葉の通じないイーサン・ホーク(の役)までい つのまにかファビエンヌに入れ込む様子も。
バックミュージックが聴き心地よく、庭の風景が美しい。 アコーディオンの音楽に合わせて家族がダンスするシーンは素敵。
大物女優たち、舞台もフランスとなると 日本人監督の映画だということを意識することもないが、白黒つけないところでの表現はもちろん、シーンの切り替えもフランス映画のようだ。折り紙の短いシーンや シャルロットがリュックにメダルをプレゼントするシーンは、日本らしさを取り入れたのかもしれない。
バックミュージックが聴き心地よく、庭の風景が美しい。 アコーディオンの音楽に合わせて家族がダンスするシーンは素敵。
大物女優たち、舞台もフランスとなると 日本人監督の映画だということを意識することもないが、白黒つけないところでの表現はもちろん、シーンの切り替えもフランス映画のようだ。折り紙の短いシーンや シャルロットがリュックにメダルをプレゼントするシーンは、日本らしさを取り入れたのかもしれない。
ひとつ屋根の下での会話劇で、登場人物 の細かい表情を観逃さず、いかに会話への集中を持続させるか。そうすれば、いろんな発見があり、温かい感動が胸に残る 爽やかな作品だとわかる。