2019年10月23日

Adams æbler  「アダムズ・アップル」

Adams æbler.jpg2005  Director: Anders Thomas Jensen

ブラックコメディー。ほぼ全てのやりとりが複数のカテゴリーにおいて批判の対象になるようなもの。カーステレオの穏やかな音楽や 自然に囲まれたロケ地の雰囲気に反する内容で、独特な素朴さがまた冷酷で不快、しかし限られた登場人物に最終的にはある程度は愛着が(?)。マッツ・ミケルセン~ちなみにアダムは彼ではない~をデンマーク映画で。
ラベル:映画 a
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2019年10月18日

Robin Hood  「フッド:ザ・ビギニング」

Robin Hood.jpg2018  Director: Otto Bathurst

言えばロビンフッドはイギリスの伝説にも関わらず ケビン・コスナーやラッセル・クロウはイギリス人ではなかったが、今回タロン・エジャトンはイギリス人だけども、アメリカ映画的な作品だ。なにかと大袈裟にも観えるが、それがアクション大作というもの。
冒頭、泥棒に一目惚れの主人公ロビンとマリアンとの恋愛話は やたらに早送りみたいな展開で、尺を縮めなければ感がある。
アクションシーンは迫力あるが、全体的に近距離で撮っている印象で 目まぐるしい。独りで大掛かりな盗みをやるなんて、ジェイミー・フォックスも指導するのはいいが、多勢に無勢ってことは考えないのか。しかし ここは 魅せるアクション、タロン・エジャトンにかっこよくキメさせる意図が観える、とりわけ弓さばきで。
馬が牽く暴走する貨車のシーンは見せ場だが、ライトの当たり具合なのか、舞台がセットに見える。数少ない引き映像のノッティンガム設定の景色はきれいだが、全体的にセット感のあるロケーションに見えるのだけど..。
ジェイミー・ドーナンと肩を並べるには、タロンは若く見え過ぎる。ロビンとウィルの関係は重要なので、いまいち2人がマッチしない気がする。端折り過ぎで、これだとロビンは無謀、ウィルは最終的にありきたりの展開で いまいち納得いかない。ウィルは悪い人ではないから 気の毒でもあり、彼の考え方と立場により生じたズレだ。ところで、ウィルという名前からすると クリスチャン・スレイターと同一キャラクターだろうか、ずいぶん印象が違う。
戦いも終盤、ロビンとマリアンがウィルは?って気づくの遅くないか..。それにしても、マリアン以外に若い女性が出てこないが、彼女は国を動かすほど2人の青年を虜にしているよう。
大きい映画に定番の悪役は、アメリカ人ならサミュエル・エル・ジャクソン、でなければ、クリストフ・ヴァルツか、この人 ベン・メンデルソーン。今回も悪い目力と悪態、戦わない悪役。
ジェイミー・フォックスは 同一キャラクターではないけれど モーガン・フリーマンを意識した役柄だ。ジョンは 初めは敵だったわけで悪そうでもあり、ドライバーでも~ほとんど戦っていたのはロビンだから~強そうで、人情味もあり、安定して観えるのだけど。
ジェイミー・フォックスに対するタロン・エジャトンは ちょっと生意気に弟子入りしたような役で、しかし Kingsman の師弟関係が絶妙で~どうやらCG満載なのにマシュー・ヴォーンのこだわり企画にはまってしまったため~、さらに Rocketman が日本では先に公開したため、どうもアメリカ大作映画の主人公として違和感が。
聖職者タック役がなかなかよい。オープニングとエンディングの語りが彼なのも、最もイギリス人風の口調で、どの立ち位置の人物が語るかという意味でも妥当。
こういう映画にはすかっとする締めが欠かせず、ラストまで~どこかで観たことあるような気はするが~魅せる演出ではあった。続く..のか?..もし続くとしたら このバウンティーハンター画は使えるのか..?
エンドロールはコミックの映画化のような現代風。
話題になっている プロデューサーのレオナルド・ディカプリオは今回 何度も映画化されているロビン・フッドの何に魅せられ表現したかったのかな。リドリー・スコットの Robin Hood は 高原の騎兵隊の規模の大きさ、主演俳優が実際に馬に乗ってアクションなど 実写の歴史スペクタル感、もっと重みのあるものだったが、今回の映画は実写とCG融合の アクション エンターテイメントといったところ。
ラベル:映画 R
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2019年10月15日

Gräns  「ボーダー 二つの世界」

Gräns.jpg2018  Director: Ali Abbasi

主人公自身が特有の能力を持ち、野性的な何かがある、とんでもないことが起こりそうな奇怪な雰囲気は、ホラー映画よりも不気味だ。事前情報なしで観たほうがよい、それはどんな映画にも言えることだけども、もう何が起こっても驚かない。それでもストーリーはちゃんとある。ヴォーレとの出会いにより、自分の出生の秘密を知る主人公ティーナの話、それぞれの行動に対する動機は彼らの会話から把握できる。
ティーナが人間らしい心を持っているのは 義理のお父さんに娘として育てられたおかげでもある、そこが人間に復讐心を持つ、虐げられてきたヴォーレとの違いで、ティーナは自分の能力を生かした仕事に就き、少数ながら彼女を信頼する人も周囲にいる。しかし、彼女が抱えた孤独や劣等感、人と違うという不審感は計り知れず、優しい父を許せないほど。ラストのティーナの微笑みを観て、自分だけではない、真相を知ったティーナが幸せになるには、本能のままに生きる道を選ぶことなのだろうと。
普通の人間ではないかもっていう北欧の映画は他にもあったが、外見が若くて美しいのか、醜いタイプなのかで かなり印象は違ってくる。特殊メイクがこれまで観たことのない、人間らしくも動物らしくもあり、本当に染色体によるものかのように2人の顔が似ている。
確かに、性別、容姿、習性、それらのボーダーは誰が決めたのか、マイノリティーだと疎外される不公平な世の中。日本ではトロールの伝承に馴染みがなく ピンとこないが、ダークでグロテスクな神秘の映像に、 非現実的な内容でもリアリティーがあり、美しいファンタジーとは言えないけれども、メッセージがある。
ラベル:映画 G b
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Le retour du héros  「英雄は嘘がお好き」

Le retour du héros.jpg2018  Director: Laurent Tirard

メラニー・ロランの天使のようなかわいさを引き立たせるコスチュームの19世紀初期。内容は軽いフレンチコメディーで、とにかく衣装、セット、ブルゴーニュの街並が美しい。嘘つきでお調子者な色男役が似合うジャン・デュジャルダンの長い髭、赤い軍服で白馬にまたがる出で立ちがまた似合う。デザインの美しさには、不謹慎にも、コサック隊に対して大砲で立ち向かう騎兵隊のシーンまで絵になると思える。
家族のコミカルさチームプレイは上々。全体的にたいして笑えるコメディーではないが、決闘だとかでジャン・デュジャルダンの1歩が大きいのには つい笑ってしまって負けた気がした。
彼を追い出すべく、頼もしいメラニー・ロランを応援するも、ぬけぬけと食い下がるヌヴィル大尉。彼が一度だけ本当の自分の気持ちを見せたであろう時、空気は変わったものの、コメディーはコメディーで、痛快でもないが、これでよし。
ラベル:映画 R
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2019年10月11日

La vérité  「真実」

La vérité.jpg2019  Director: 是枝裕和

絡み合う嘘と真実..というサスペンス調を予感すると違う。真実というのは、ささやかで繊細なことだけれども、母娘にとっては確執を取り除く重要なもの。真実の鍵となりそうなサラ叔母さんについては、家族に関わる事実があるが、それは母娘の関係を紐解いていくきっかけとなるだけだ。
表面的に見えていることと 長い間心の底にあるもの、それぞれの性格やプライドにより抑えていたり、表現のし方により わかり合えないこと。
他人ではないからこそ 一言一言が気に障ったりするもの、でも放っておけなくて、素直に気持ちを伝えられないけれど わかってほしくて、そんな様子が伝わってくるジュリエット・ビノシュの演技は超一流、娘リュミール。
母ファビエンヌの プライドと強がりと自由さ、チャーミングな一面を 女優の役だけに本人と重ねてしまうカトリーヌ・ドヌーヴ。そんなファビエンヌにも ふとした時に心の動きが観える。
第三者の話から気づくこともある。そして、お互いに歩み寄り、打ち明け、わだかまりを解いて、母と娘の絆が。フワッと和ませて、不意に胸に響くような ウィットを利かせた優しいオチもある。
リュミールの娘シャルロット役の女の子のかわいいこと。ファビエンヌを取り巻く男性たちもそれぞれに温かく、長年仕えるリュックの穏やかな眼差しや。言葉の通じないイーサン・ホーク(の役)までいつのまにかファビエンヌに入れ込む様子も。
バックミュージックが聴き心地よく、庭の風景が美しい。 アコーディオンの音楽に合わせて家族がダンスするシーンは素敵。
大物女優たち、舞台もフランスとなると 日本人監督の映画だということを意識することもないが、白黒つけないところでの表現はもちろん、シーンの切り替えもフランス映画のようだ。折り紙の短いシーンや シャルロットがリュックにメダルをプレゼントするシーンは、日本らしさを取り入れたのかもしれない。
ひとつ屋根の下での会話劇で、登場人物の細かい表情を観逃さず、いかに会話への集中を持続させるか。そうすれば、いろんな発見があり、温かい感動が胸に残る 爽やかな作品だとわかる。
ラベル:映画 V
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