ダンスで表現していることに意味があるのかもしれないが、イスラエル部隊の1人のパートナーがダンサーだというだけに観える。意外なコンテンポラリー ダンスのオープニングで、事件と場違いのようなダンスシーンを同時進行させたり 、場所のキャプションの出方や スタイリッシュなつくりとテンポを感じられる前半なのだが。特に後半のダンス シーンは裏目に出て、緊迫のクライマックスも気が散るばかり。
最近の「ホテル・ムンバイ」の無名のテロ犯役と比べて、ダニエル・ブリュール とロザムンド・パイクでは 犯人に対する脅威の観え方が違い過ぎると初めは思ったが、この映 画では無差別テロではないわけで、ハイジャック犯側の事件を起こ す背景や精神状態を描くことがテーマとなっているから。~ 俳優の印象で言うと、エアフランスのドゥニ・ メノーシェのほうが よっぽど人を殺しそうだ。「ジュリアン」の彼が怖過ぎた。~
また、イスラエル、パレスチナ、ドイツ人急進左翼と 複数の国際情勢が関わるので 政治的な動きの説明も必要になるわけで、一気に事件だけをというわけにはいかない。
しかし、事実の記録を表現したいのか、ドイツ人犯の 心理を描写したいのか、どこをとって たたえるものがあるのか、実際に難しい問題でもあり、映画として いまいちポイントが強くは伝わりづらい。ダニエル・ブリュールらを主人公として観てしまうから。
最近の「ホテル・ムンバイ」の無名のテロ犯役と比べて、ダニエル・ブリュール
また、イスラエル、パレスチナ、ドイツ人急進左翼と 複数の国際情勢が関わるので 政治的な動きの説明も必要になるわけで、一気に事件だけをというわけにはいかない。
しかし、事実の記録を表現したいのか、ドイツ人犯の
表面的には毅然としている役柄のロザムンド・パイクの電話のシーンは 少し心を揺さぶられる。脚色だとしても、ナチではないのだと人間らしい面を観せるダニエル・ブリュールに安心した、彼の印象は非道な役柄が似合わないから。