2019年10月15日

Gräns  「ボーダー 二つの世界」

Gräns.jpg2018  Director: Ali Abbasi

主人公自身が特有の能力を持ち、野性的な何かがある、とんでもないことが起こりそうな奇怪な雰囲気は、ホラー映画よりも不気味だ。事前情報なしで観たほうがよい、それはどんな映画にも言えることだけども、もう何が起こっても驚かない。それでもストーリーはちゃんとある。ヴォーレとの出会いにより、自分の出生の秘密を知る主人公ティーナの話、それぞれの行動に対する動機は彼らの会話から把握できる。
ティーナが人間らしい心を持っているのは 義理のお父さんに娘として育てられたおかげでもある、そこが人間に復讐心を持つ、虐げられてきたヴォーレとの違いで、ティーナは自分の能力を生かした仕事に就き、少数ながら彼女を信頼する人も周囲にいる。しかし、彼女が抱えた孤独や劣等感、人と違うという不審感は計り知れず、優しい父を許せないほど。ラストのティーナの微笑みを観て、自分だけではない、真相を知ったティーナが幸せになるには、本能のままに生きる道を選ぶことなのだろうと。
普通の人間ではないかもっていう北欧の映画は他にもあったが、外見が若くて美しいのか、醜いタイプなのかで かなり印象は違ってくる。特殊メイクがこれまで観たことのない、人間らしくも動物らしくもあり、本当に染色体によるものかのように2人の顔が似ている。
確かに、性別、容姿、習性、それらのボーダーは誰が決めたのか、マイノリティーだと疎外される不公平な世の中。日本ではトロールの伝承に馴染みがなく ピンとこないが、ダークでグロテスクな神秘の映像に、 非現実的な内容でもリアリティーがあり、美しいファンタジーとは言えないけれども、メッセージがある。
ラベル:映画 G b
posted by JUNE at 16:00| Comment(0) | 映画コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Le retour du héros  「英雄は嘘がお好き」

Le retour du héros.jpg2018  Director: Laurent Tirard

メラニー・ロランの天使のようなかわいさを引き立たせるコスチュームの19世紀初期。内容は軽いフレンチコメディーで、とにかく衣装、セット、ブルゴーニュの街並が美しい。嘘つきでお調子者な色男役が似合うジャン・デュジャルダンの長い髭、赤い軍服で白馬にまたがる出で立ちがまた似合う。デザインの美しさには、不謹慎にも、コサック隊に対して大砲で立ち向かう騎兵隊のシーンまで絵になると思える。
家族のコミカルさチームプレイは上々。全体的にたいして笑えるコメディーではないが、決闘だとかでジャン・デュジャルダンの1歩が大きいのには つい笑ってしまって負けた気がした。
彼を追い出すべく、頼もしいメラニー・ロランを応援するも、ぬけぬけと食い下がるヌヴィル大尉。彼が一度だけ本当の自分の気持ちを見せたであろう時、空気は変わったものの、コメディーはコメディーで、痛快でもないが、これでよし。
ラベル:映画 R
posted by JUNE at 13:00| Comment(0) | 映画コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする