2020年01月31日

La promesse de l'aube  「母との約束、250通の手紙」

La promesse de l'aube.jpg2017  Director: Eric Barbier

母ひとり子ひとり、ロシアからポーランド、ニースへと移り、2人の絆は深い。
母は一心に息子に望を掛け、諭し、濃い愛情を注ぐ。ユダヤ人として時代を強く生き抜く母の姿を見てきた息子ロマンは、母の期待に応えることを目標として人生を進める。母の期待を重荷に感じることもあったはずで、離れても精神的に支配されているようだが、それでも それ以上にロマンにとって母の存在は大きく、誰よりも、何にも代えられない、離れていても母が自分の心の中に。
そうなると、ロマンが成し遂げたことは崩れ落ちる。もう彼が生きる目的はなくなってしまったのかもしれない。
ロマンの成長とともに2度俳優が入れ替わるときのシーン使いが美しい。
シリアスなストーリーを人生における母と息子の強い関係に絞り、ドラマティックな展開に引き込むつくりは秀逸。
ラベル:映画 p
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2020年01月28日

Les traducteurs  「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」

Les traducteurs.jpg2019  Director: Régis Roinsard

‘どんでん返しの巧みなプロットを練りました’ 感がある。多国籍の登場人物、展開の読めなさは興味深い。ただ、こういう映画は初めてではない気がするので、つくり手の手腕が問われる。全員が怪しい、複数犯かも?意外な人物が?
初めから この異様な翻訳プロジェクトの目的や集まった人物たちについて、背景がわかりにくいまま進行する。外部からの遮断が徹底されている中 原稿がリーク、犯人はこの中の誰だ?と、これが早い段階の展開。まもなく勝手に種明かしが始まり、密室事件が 密室の話ではなくなる。
種明かしの先の真相まで、明かされなければ全く展開を読めないが、かなり仕組まれている割には、彼が若干わざとらしくて いまひとつ。動機はわかったが、彼の目的は 小説自体とは離れ 仕返しであったにしろ、そこまでしなければ果たせなかったのか?してやったりではあるが、これで満足か?
極秘で翻訳する小説についての説明がほとんどないことや、真犯人の動きに関わらなかった人物が少数だけいることや、事件には関係ない個人的な打ち明けがあるのは 犯人を除き1人に限り、メンバーの関係性や各々の重要性にピンとこない、中途半端さあり。
ラベル:映画 9 T
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2020年01月25日

The Man Who Killed Don Quixote  「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」

The Man Who Killed Don Quixote.jpg2018  Director: Terry Gilliam

テリー・ギリアムの映画にジョナサン・プライスといえば数本、ジョナサン・プライスが主人公なのは「未来世紀ブラジル」。
Brazil の近未来設定とは一転、スペインの村と古代宮殿が舞台だが、雰囲気としては同じく、つかみどころのないキャラクターに、空騒ぎのドタバタ感、ブラックコメディー風なファンタジー、どこか不思議空間、入り交じる夢と現実。
アダム・ドライヴァーは SWは違うけれど、ノア・バームバックフィルムや ジム・ジャームッシPaterson と緩い感じが似合うので、不思議空間には向く。
周囲はヘンなのに~ここからおそらく主人公の狂気は始まっている~まともな主人公は空回りしながら頑張って、最後の最後に気が違ってしまうという、Brazil と同じく。今回それも唐突だが、このとりとめのない流れなら認めざるを得ない。ただ、不幸なダークサイドを残して終わるわけではない、今作は少なくとも前を向いている。
考えてみれば、原題どおりの成り行きで、映画全体としてみれば それにはもっと深い意味があるのかもしれない。
ラベル:映画 M
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Cats

Cats.jpg2019  Director: Tom Hooper

ミュージカルタッチの映画もいろいろだが、この作品は全編が歌とダンスの完全なミュージカル映画。オリジナルがミュージカルなだけに。なので、ミュージカルの Cats を知らなければ 歌詞というものは意味不明で、パフォーマンスを観賞すればよいだろうと。しかし、現代のデジタル処理のリアルな動物とは違って、登場人(?)物は見た目に人間なのだけど、全身ネコ風 毛のレオタード姿で、ネコたちの行動となれば、違和感はある。
主人公ヴィクトリア役は エキゾティックな本人の印象とは違う、劇中はかわいらしく、若い白猫らしい高く澄んだ歌声。彼女がバレリーナだけあって、また他のメインパフォーマーもバレエダンサーとみられ、ダンス全般と動きはバレエの美しさ。体の線が出る衣装に ネコの動きとしては バレエが向いているのだと納得。ストリート風ダンスとタップダンスを一部取り入れ。ハグはしない、すり寄る感じ、ネコだから。
ジュディ・デンチは ネコになろうと妖精になろうとジュディ・デンチだ..。イアン・マッケランはネコに見えない、普通に老人のようで、彼のソロパートは長くやるには退屈する。やはりソロを観るなら主人公で、他は計算された華やかなネコたち全体のパフォーマンスを。歌唱力で抜擢だろうジェニファー・ハドソンのソロパートは見せ場に違いなく、しかし最高潮に達するパートは1フレーズで そこを予告編で出すのは..もったいない。
普通の映画のテンポでストーリー展開を期待すると この表現のし方はじれったいもので、それでも~観たことないけれど~ミュージカルとして有名な Cats ともなれば 雰囲気を味わうにok。
ラベル:映画 C
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2020年01月23日

Celle que vous croyez  「私の知らないわたしの素顔」

Celle que vous croyez.jpg2019  Director: Safy Nebbou

ミドルエイジ女性の恋と生き方、現代のSNS社会の反映と 映画として珍しくもない展開で、でき過ぎた設定でもあり、それでもフランス映画であることと ジュリエット・ビノシュ主演であることに 妖艶なミステリアスさがある。
現実から、空想を混ぜ偽った現実、そして空想の世界。彼女の心の奥にあるものを分析医とともに読み解いていくもの。彼女は責任を感じて永遠に自分を空想の中に。しかし、また偽りの現実があり。彼女は欲望のままに?現実を。
彼女がとった行動を導いた感情は胸が痛むものでもあり、極端な展開ではあるものの、女性としての端々の気持ちはわかる気がする。ジュリエット・ビノシュは十分きれいだが。
ラベル:映画 C
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