映画として撮られたバレエ版ロミオとジュリエット。バレエのステージを録画したもので はない。ステージ以外、屋外や複数のセットシーンでバレエダンサーたちが演じる珍しさ、オープニング から映画風で、バレエを観せる各シークエンスも長過ぎないので 観やすい。しかし セリフは皆無。クラシックのバックミュージック に、小さく周囲の音はある。隅々まで衣 装、セットデザインが美しい。
言葉なく、ダンスで表現するということは、例えばマキューシオが 倒れるまでのシーンが長い割に、ストーリーの山場がやたらに駆け 足に感じられ、これくらいストーリー仕立てであれば バレエを観るという意味でも物足りない、もっと観たいという意味 で。エンディングに両家を戒めるようなまとめはなく、儚い美しさであった。
フランチェスカ・ヘイワードは 華奢で しなやか、人形のようで、人間離れした美しさ。ネコになってもチ ャーミングだったが、やはり ここでは主役の品格に加え、バレリーナとしての魅力が際立つ。
ロミオ役は ロミオにしては俳優視点で魅力に欠ける気もするが、ロミオと ジュリエットが主役として並列ではなく、ジュリエットが主人公の映画 と観える。初め誰がロミオだかわからなかったが、彼を差し置き 目立っているのがティボルト役で、バレエの舞台でロミオ役をやっていた人だけあり 若いダンサーの中では異彩を放つマシュー・ボール、しかし ティボルト役となると後半の観せ場はなくなる。
言葉なく、ダンスで表現するということは、例えばマキューシオが
フランチェスカ・ヘイワードは 華奢で しなやか、人形のようで、人間離れした美しさ。ネコになってもチ
ロミオ役は ロミオにしては俳優視点で魅力に欠ける気もするが、ロミオと
劇中 常にクラシック音楽が流れていたにも関わらず、 敢えての選曲なのだろうけれど カントリーミュージック風なエンドロールの曲~歌詞にRomeo..や出てくるものの~に違和感。
それにしても、観応えのある貴重な作品だ。