2020年03月14日

Romeo and Juliet: Beyond Words

Romeo and Juliet:Beyond Words.jpg2019  Director: Michael Nunn

映画として撮られたバレエ版ロミオとジュリエット。バレエのステージを録画したものではない。ステージ以外、屋外や複数のセットシーンでバレエダンサーたちが演じる珍しさ、オープニングから映画風で、バレエを観せる各シークエンスも長過ぎないので 観やすい。しかし セリフは皆無。クラシックのバックミュージックに、小さく周囲の音はある。隅々まで衣装、セットデザインが美しい。
言葉なく、ダンスで表現するということは、例えばマキューシオが倒れるまでのシーンが長い割に、ストーリーの山場がやたらに駆け足に感じられ、これくらいストーリー仕立てであれば バレエを観るという意味でも物足りない、もっと観たいという意味で。エンディングに両家を戒めるようなまとめはなく、儚い美しさであった。
フランチェスカ・ヘイワードは 華奢で しなやか、人形のようで、人間離れした美しさ。ネコになってもチャーミングだったが、やはり ここでは主役の品格に加え、バレリーナとしての魅力が際立つ。
ロミオ役は ロミオにしては俳優視点で魅力に欠ける気もするが、ロミオとジュリエットが主役として並列ではなく、ジュリエットが主人公の映画と観える。初め誰がロミオだかわからなかったが、彼を差し置き 目立っているのがティボルト役で、バレエの舞台でロミオ役をやっていた人だけあり 若いダンサーの中では異彩を放つマシュー・ボール、しかし ティボルト役となると後半の観せ場はなくなる。
劇中 常にクラシック音楽が流れていたにも関わらず、敢えての選曲なのだろうけれど カントリーミュージック風なエンドロールの曲~歌詞にRomeo..や出てくるものの~に違和感。
それにしても、観応えのある貴重な作品だ。
ラベル:映画 R
posted by JUNE at 12:00| Comment(0) | 映画コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月12日

All Is True  「シェイクスピアの庭」

All Is True.jpg2018  Director: Kenneth Branagh

シェイクスピアにとって庭は息子、ハムネットに対する想いそのものであり、そして庭は家族を表すことになり、シェイクスピアが生涯を閉じると 庭はシェイクスピアを表すかのごとく。
ウィリアム・シェイクスピアの家庭の話。執筆活動を引退し、ロンドンから故郷へ戻ったシェイクスピアが 特にハムネットに関するわだかまりを解き、それを通じて 家族との関係を取り戻す、彼が亡くなるまでの。
定点カメラが特徴的、特に低い位置に固定されたもの。また、暗がりにロウソクの火だけであったり、光が絵画のようなデザインを際立たせる。
この時代、女性の男性に対する格差が表れている。11歳で亡くなったハムネットの死の真相や 次女ジュディスの心の内を表しているが、全て真実だと言い切ってある。
想像どおり 詩的な言葉が多いが、内容的に割とわかりやすいもの。イアン・マッケランが話す長いシーンは、いったい何の話だったっけ?となったけれど。
シェイクスピア風の額によって 言われなければわからないケネス・ブラナーの監督・主演作。

ラベル:映画 a
posted by JUNE at 21:30| Comment(0) | 映画コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月07日

Judy  「ジュディ 虹の彼方に」

Judy.jpg2019  Director: Rupert Goold

レネー・ゼルウィガーに見えるけれども、見た目は構わない。今年の主演女優賞総なめだが、女優としてベテラン、レネー・ゼルウィガーにはできそうな演技に観える。ただ、歌唱パフォーマンスシーンも多いので、それを含めての評価であることは明らか。彼女は Chicago でも歌い、実在の歌手の役で歌えるわけだから。
少女時代のジュディ役がジュディ・ガーランドに顔が似ている。
下の子ども2人が10代前半の頃のジュディの最後のステージまでが筋で、彼女が回想しているかのように 少女時代の一時期のシーンを交錯させながら、ジュディを形成した背景を観せていく。周囲の大人が 彼女の才能を伸ばしてスターにした、しかし 子どもの頃から彼女を薬漬けにし、不安定な精神の大人にさせたわけだ。
子ども時代のジュディが ショービジネスのために本当にやりたいことや楽しいことを犠牲にする姿や、子どもたちと一緒に暮らしたいとずっと願っていながら うまくいかない実情と子どもたちのことを考えて気持ちを押し殺すジュディの姿には、切なく 心を動かされる。
彼女の荒れた苦しいばかりの劇中だが、最後のショーのシーンには感動する。度々問題を起こしても 会場に集まっているのは彼女を愛するファンであり、プレッシャーや不安と闘いながら、エンターテイナーとしてステージで華々しく、原点に返ったようだった。
さて、レネー・ゼルウィガーは今までで一番痩せているが、久々に観ると顔に老いが目立つ、それでも50歳なわけだから当然で、この映画を機に また名演を観られればよいと。
ラベル:映画 J
posted by JUNE at 18:00| Comment(0) | 映画コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月03日

And Then We Danced  「ダンサー そして私たちは踊った」

And Then We Danced.jpg2019  Director: Levan Akin

バレエダンサーの話かと想像したが、バレエのような足の動きはあるけれども ジョージアの民族舞踊。ジョージアの繁華な町の片隅の あまり裕福ではない地区に 所狭しと生活する主人公メラブの家族。家庭の苦しい事情もあるが、彼には情熱を注げるダンスがある。
Call Me by Your Name の要素が複数あり、ジョージア版で、ダンサーだという背景に特徴がある。
メラブ役は痩せ型のバレエダンサーのような体型、明らかにプロのダンサー。センシティブで野心的、純真な少年のようでもあり、目が語る感情表現が良く、魅力がある。が、メラブが好きになるイラクリ役が少々魅力に欠ける上、役柄も 事情が事情とはいえ終わり方が薄情に観えるため、Call Me by Your Name より美しさを欠いてしまうが、もう1つのテーマであるダンスでカバー、むしろダンスでまとめる。メラブが民族衣装を着ていることにも意味があるはずだ。
粗削りな部分もあるが、メラブの家族との関わりも描かれる中、兄弟関係を放置しないで ある程度丁寧に締めたのもよい。
主人公が自然体で、ハンディーカメラのような撮り方が ダンススクール内はドキュメンタリーのよう。構図がところどころ美しい。
ラベル:映画 T
posted by JUNE at 22:00| Comment(0) | 映画コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする