若草物語の聞いたことのあるエピソードを 普通に時系列ではなく、 過去とその後2つの時間が代わる代わる流れるのは、 オリジナリティーがあり、割と引き込むつくりになっている。 後半その2時代の入れ替わる間隔が狭くなり、 登場人物たちの見た目の変化がほとんどないため、少し頭をひねるが、ストーリーから理解できる。
完全に次女ジョーが主人公だが、 4姉妹全員にスポットが当たるエピソードを展開させている。
シアーシャ・ローナンはブロンドヘアのイメージなので、 ジョー役にエマ・ワトソンのほうが似合う気もするが。作家を目指し 新進的な女性として我が道をいくジョーのタイプとし ては、シアーシャ・ローナンでもエマ・ワトソンでもよく、 ブルーネットの上品な美人のエマ・ワトソンは ベス役でもよいかもしれず、メグのイメージではないのだけど。 2人の演技は元から安心な中、想像以上に良いのがフローレンス・ ピュー。表面的な現実主義で 感情表現が豊か、 かわいいけれど丸い体型で 末っ子エイミーらしく、 若手ベテランのシアーシャ・ローナンとエマ・ ワトソンに引けを取らないインパクトがある。
ティモシー・シャラメは若く見え過ぎ、 演劇のような大袈裟にも観える演技が気になるが、 ローリーが原作でどんなキャラクターなのか私には不明で、 ローリーに合っているのかどうかわからない。
ルイ・ガレルはこういった英語の映画に出るのが珍しく、彼らとは年齢的にもマッチするわけではないが、彼自身が魅力的だ。ローラ・ ダーンはいろんな役をやっているが、最近だと敏腕弁護士役や派手な成金的な役を観たため、慈善家の母親役とは意外ではあった。 クリス・クーパーは彼に珍しいヘアスタイルというのもあるが、 人相が変わった。
屋敷や衣装のデザインも素晴らしく、若草物語らしい姉妹・ 家族の 賑やかな触れ合いと 温かい結束、 こじんまりとドラマ展開がある。グレタ・ ガーウィグっぽい Lady Bird の良さは私にはわからなかっ たが、彼女の今作は上等だ。