2020年07月29日

Little Joe

Little Joe.jpg2019  Director: Jessica Hausner

白く無機質な研究所と 白衣はパステルグリーン、社員食堂のグリーンの椅子に カラフルなスイーツ、和洋なシンプルでポップな主人公の家、真紅の花。不協和音と、和太鼓の音、日本伝統芸能風~神社の音楽のような~バックミュージック。悲劇的シーンは敢えて見せない。固定カメラの位置がシャープな映像を、そして 左右両方向へ流れるエンドクレジット。
デザイン性が 奇妙な雰囲気を引き立てる。主演の雰囲気もマッチする。色白で赤毛キノコカットの主人公はヨーロッパ不思議感覚の映画に合う瞳、穏やかで飄々としているベン・ウィショーは よい人なのかそうでもないのか不明なキャラクター。
すごくわるいことはあからさまには起きていないが、異変は起きている。ストーリー展開は主人公~の脳~に委ねられ、解明されるわけではなく。パンデミックに陥るのか、人間が植物にどれほど支配されるのか、それほど悪影響はないのかもしれず、その先は不明。
それで??のエンディングではある..。新種の花リトルジョーは人をハッピーにするのか。そうではない流れで観ていたが、そうかもしれないとも思える、ここまでのところ。微妙に人間らしさを失うが、疑問を持たなくなるのだから。
ラベル:映画 l
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2020年07月24日

Leto

Leto.jpg2018  Director: Kirill Serebrennikov

久々に独創的な映画と音楽の融合を観る。それがロシア映画だとは。
アンダーグラウンドとパンクロック、観やすいタイプのモノクロ映像、背景のポップなアートデザイン、周囲を巻き込んだミュージカル的シーン、ロック名シーン再現等。自由解放に発散する若者たち、その場にいない設定の語りの人物が繰り返す言葉はフィクションだと、そして溶け込む。
ヒロインがとてもきれいな人で、ソヴィエト アンダーグラウンド界のカリスマと、歌詞が独特だが レニングラードに珍しいアジア系青年は寡黙なキャラクターも気になる存在に観えてくる。
時代と音楽のムーブメントを表現しながら、あるミュージシャンにスポットを当て、雰囲気を楽しむセンス映画であっても メインキャストがはっきりしているから 関連人物とのストーリー性もあり、音楽シーンの変化と さらりと切ない恋しさもにじませ、エネルギュシュでメランコリー、モノクロなのにカラフルに、ノっていく。
ラベル:映画 l
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Der Trafikant  「17歳のウィーン フロイト教授 人生のレッスン」

Der Trafikant.jpg2018  Director: Nikolaus Leytner

若者の想像の世界と夢の中、主人公フランツの頭の中を表現し、それは精神科医フロイトとの関わりにも結びつき、観やすいが、シリアスな背景の割にフランツが平然として観えることと、登場人物のその後は?完結しない曖昧さは残る、激動の時代の始まりにしか過ぎないというように。
しかし、田舎と母と離れ、教授フロイトとの交流と恋模様、時代に翻弄されながら、若者の目線で彼の成長を描いたもの。
1930年代のウィーンの街とタバコ店、路地裏、ナチスドイツ色へと変化していく街、故郷の湖、幻想的な映像美と 温かさ・切なさの交じるストーリーに観応えあり。
ラベル:映画 17 T
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2020年07月23日

Donne-moi des ailes  「グランド・ジャーニー」

Donne-moi des ailes.jpg2019  Director: Nicolas Vanier

田舎の自然と広い青空、ノルウェー北部だというロケ地の美しさに、心洗われる 空を飛んでいるような気分になる。
少年に群がる鳥たち、雁の群と軽量飛行機との飛行、どうやって撮影しているのだろう。
少年のアドベンチャーであり、家族が一体となるストーリーであり、現代らしくSNSの影響もあり しだいに注目し見守りながら応援する世間。
実際には少年が実行するには危険過ぎるが、実話は少年ではないらしい、それでも 自然保護に情熱を捧げる人物が人の手で渡り鳥を誘導するという実話に基づくフィクション、フランス・ノルウェー映画。子どもも大人も観られる爽やかな作品。
ラベル:映画 d
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2020年07月18日

Grâce à Dieu  「グレース・オブ・ゴッド 告発の時」

Grâce à Dieu.jpg2018  Director: François Ozon

現実と幻想の区別が曖昧で 魅惑的に洗練されたフランソワ・オゾン色を最も消し、珍しく実話に基づく。オゾン風でないといっても 淡々と事実を並べるのではなく、ストーリーに引き込む。非道で衝撃的な事実を端的に伝え、被害者たちの心と行動にスポットが当たる。
主人公はメルヴィル・プポーだが、主体となる人物が~さらに大きくなったように見える~ドゥニ・メノーシェ、そしてもう1人の人物(スワン・アルロー)へと移っていく、ストーリーのつながりの中で。
アレクサンドルは端を発し告発したが、家族の立場も考え冷静、フランソワは積極的に明るみに出すべくメディアに公表しようと動き、エマニュエルは問題を抱えながらも告訴に踏み出そうとする。各々の違いが観えてくるが、向いている方向は同じだ。各家族関係にも大きく関わってくる。家族の支えと協力がなければやり遂げられることではなく、行動を起こすことによって家族との関係に確執が生じる場合もある。それくらい精神的、身体的、社会的な大ごとである。
信仰に対する考えとの絡みも人それぞれ、複雑で、締めくくられたメルヴィル・プポーの複雑な表情は、簡単には解決されない問題を作品に残している。
ラベル:映画 G
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