2020年08月29日

A Beautiful Day in the Neighborhood  「幸せへのまわり道」

A Beautiful Day in the Neighborhood.jpg2019  Director: Marielle Heller

よい話であることはわかるが、父との確執を解く、ありきたりのストーリーであるように思える上、テンポもよくない。ファンタジーを織り交ぜるのはやり方によっては好感のオリジナリティーを発揮するものだと思うし、実在の人物の再現にこだわったのもわかる、それがトム・ハンクスであることには文句なしだが、別にいらないのではないかと思える演出も。マシュー・リースもわるくはないが、なんだかおもしろくない主役で、ありがちなヒューマンストーリーからしてもテレビドラマに近い印象。トム・ハンクスに、クリス・クーパーも出ているのだけど。
ラベル:映画 b
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2020年08月23日

Mr. Jones  「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」

Mr. Jones.jpg2019  Director: Agnieszka Holland

近距離撮影の揺れるカメラに酔う。全編ではないものの緊迫感のあるシーンがそんなカメラワーク、サスペンスタッチの映画かと思いきや、淡々とした実録もの。  
秘密主義の独裁国家に潜入したジャーナリスト、知られざる歴史の事実。
ホテルの予約は初めから2日だけだと言われる時点でぞっとする。 繁栄という真逆のことを聞かされた上で 想像を絶する光景を目の当たりにした時、そこは色のない雪景色、子どもたちの怖いくらいに悲しく冷たい歌声、その実態は衝撃であり、人為的なものであるということ、国を挙げての策略と隠蔽、真実を知ることは隠すか殺されるか。
真実を伝えるジャーナリストとしての使命、それは本当の意味で命を懸けたものだった。
冒頭から書いている男性の位置づけの重要性不明さと、エンディングの切り上げ方が 映画として腑に落ちないが、実話に基づく 見応えある作品。  
ラベル:映画 M
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2020年08月15日

Frankie  「ポルトガル、夏の終わり」

Frankie.jpg2019  Director: Ira Sachs

ポルトガルのシントラ、舞台はきれいで、エンディングの夕日まで、単色の組み合わせの衣装やタイルのデザインも印象に残る。
が、で? ヒューマンコメディー映画なら こんな感じでよいかと。しかし 軽くもシリアスに流れているので、捉えどころがない。フランスとアメリカの名の知れた俳優たちを複数揃えて家族付き合いにしているが、どこか雑にも。フランキーが敢えて集めた家族、集まったけれど、心を通わせた?
イザベル・ユペールはいつもの彼女の雰囲気で。仕事つながりのマリサ・トメイとは仕事仲間以上の信頼関係があることはわかるが、肝心の家族との関わりは薄い。家族それぞれが抱えている問題も解消されない。息子は母を受け入れていない状態?義娘の離婚問題もモヤモヤしたまま。最後にもくろみどおりにはならなそうだと悟ったフランキーだったが、それだけのこと。フランキーが現地の村の誕生日パーティーに飛び入り参加するシーンも 方や誕生日の女性と 誕生日を迎えられないフランキーとの複雑さの描写だろうと観えるが、彼女にたいした変化は観られない。
余談、優しい夫役ではあるが、ブレンダン・グリーソンは太り過ぎでは?
これだけ主演俳優がいても、ただイザベル・ユペールの映画であった。またしても原題が彼女の役名だ。
ラベル:映画 f
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Les confins du monde  「この世の果て、数多の終焉」

Les confins du monde.jpg2018  Director: Guillaume Nicloux

異端の戦争映画とあったが、テレンス・マリック的な超越映画とは違い、ストーリーがあり、少ないとはいえセリフも想像よりはあるので、精神世界というわけではない。いわゆる戦争映画と違う点は、背景を理解するべきではあるが、戦争そのもの、戦いを観せる映画ではなく、主人公個人の心と行動にスポットを当てたものだということ。
ジャングルを進むが、戦闘シーンはほとんどない。リアルな死体のシーンは多くあるけれども、殺戮のシーンはない。ロベールの相棒となったカヴァニャでさえ敵に殺られたわけではない。しかし、じわじわと侵食する終わりのない戦争の極限を感じさせる。
復讐心と ぶつけようのない怒り、虚無感、心の苦痛に悩む主人公ロベール。ロベールが前屈みに独り座っている戦地のベンチ、彼の背後のものの動きは 時間が止まったようにも 早送りのようにも 巻き戻しのようにも どうにでもなる、ロベールの出口のない心の闇を表す、全てを語るシーンなのかもしれない。
ロベールがマイに初めに会った自分のことを覚えているかと何度も聞くのは、客の1人ではないと思いたい気持ちの表れだ。復讐心がぶれるほどにマイのことが気になる自分に戸惑うロベールだが、この件はかなり映画自体の流れを揺るがしている。
ジェラール・ドパルデューの朗読、苦痛と愛についてが意味深だが、ロベールと関わる自称作家、マイの近くにもいるようで、ジェラール・ドパルデューだから存在感あるものの、彼の立ち位置の意図がわかりにくい。
マイは終幕、次の段階に入っていたが、真相は不明。マイがロベールと最後に会ったときに言おうとして伝えられなかったことは? カヴァニャの告白は必要か?
ロベールが復讐心を燃やす相手は 結局劇中一度も姿を現さない。彼の敵を執念で追い続け、罠らしき少年も失踪、もはや現地兵の中にフランス人はロベール1人だけとなり、途方に暮れているのか、何かを考えているのか、彼の精神状態に焦点を戻したような 時間が止まった長いシーンで。ロベールの闘いは、この映画は、終わらない。
ラベル:映画 C
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2020年08月09日

The Death of Dick Long  「ディック・ロングはなぜ死んだのか?」

The Death of Dick Long.jpg2019  Director: Daniel Scheinert

住人全体が顔見知りのような小さい町で起こったこと、悪い方へ転じ深みにはまっていく、ブラックコメディー調、確かに Fargo のような雰囲気はあるが..。
パンキッシュで浮ついているが 庶民的な一面もある主要人物の真面目な慌てぶりと、まぬけな行動、のんきな保安官たち と、緻密に気が抜けていて、予想のつかない巧妙な結末を期待でき、無名俳優ばかりのアメリカ映画 と、なかなかユニークな作品だが、んー、真相がこっちの方向では ファーゴからは離れ、笑えるものとは違い、奥さん役の表情が物語る。しかも フィクションだが、実際に似た事例があるとの話だから、確かに聞かないほうがよいこともある..。
趣味でバンド活動している彼らだが、歌が下手..と エンドロールまで手を抜かない。
この監督、してやったりの作品だろう。
ラベル:映画 d
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