近距離撮影の揺れるカメラに酔う。全編ではないものの緊迫感のあるシーンがそんなカメラワーク、サスペンスタッチの映画かと思いきや、淡々とした実録もの。
秘密主義の独裁国家に潜入したジャーナリスト、知られざる歴史の事実。
ホテルの予約は初めから2日だけだと言われる時点でぞっとする。 繁栄という真逆のことを聞かされた上で 想像を絶する光景を目の当たりにした時、そこは色のない雪景色、子どもたちの怖いくらいに悲しく冷たい歌声、その実態は衝撃であり、人為的なものであるということ、国を挙げての策略と隠蔽、真実を知ることは隠すか殺されるか。
真実を伝えるジャーナリストとしての使命、それは本当の意味で命を懸けたものだった。
冒頭から書いている男性の位置づけの重要性不明さと、エンディングの切り上げ方が 映画として腑に落ちないが、実話に基づく 見応えある作品。