2020年10月24日

Madre  「おもかげ」

Madre.jpg2019  Director: Rodrigo Sorogoyen

惹きつけられ 気になる展開なのだが、消化不良。謎は解けない。エレナの心の再生が観えたということで結論づけたようだ。
10年前の事件については不明のまま。失踪しているのは確か、捜査したわけで、元夫は普通に生活している、しかし 敢えて事件の詳細は一切不明。10年後に出会ったフランス人の少年ジャンに真相は無く、息子イヴァンのおもかげがあるだけで ジャンはイヴァンとは無関係最後に ジャンはエレナの過去を周囲に聞いたのだろう、知っていたが、それがわかったところで エレナは吹っ切れるか?心が通じ合うジャンとの別れを気持ちの区切りとした?ラストのエレナの行動は 彼女の気持ちの大きな変化を表すが、なぜ?元夫ラモンを許す気持ち?わからない。
家族から森へ逃げたジャンからの電話をエレナが受けている時はドキッとする、彼女がイヴァンと必死に電話をつなぐ冒頭のシーンにリンクするから。
主人公エレナ役、スペイン人の彼女がとてもきれいな人で、海辺の町、ロケーションが良い。エレナにとっては心が離れられない、執着し続ける場所。
エレナとジャンを恋愛関係だととるオーディエンスの声が多く、確かに男女逆なら観方は違うかもしれないが、私には2人がそういう関係には観えない。母親が未解決の息子に執着するのは当然で、簡単に忘れることなどできるはずもなく、何もしないで生活することなど。その現れ方は人それぞれだろうけれども。多少ラストはわかりづらく、ジャンがいったいどういう気持ちでエレナに接しているのかも少しわからないが、個人的には 多くのオーディエンスの見解のような展開を観たくない気持ちがあり、主人公の再生の一歩を描くものであると考える。

ラベル:映画 M
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Trautmann  「キーパー ある兵士の奇跡」

Trautmann.jpg2018  Director: Marcus H. Rosenmüller

戦争ゆえの偏見と、その中で生まれた愛とチームと、赦す人の行動、消えない心の傷と再生。戦争時代~主に戦後直後~のストーリーとしては穏やかに描かれ、善人タイプの主人公として申し分ない主演カップル、ストーリーに起承転結の波をつけ、戦争の痛ましさと逆境、その後の人々の変化、人の温かさも感じられ、幸せな時と 事態の一転、さらに落ち、再生へ向かう時 と観やすく、文句のつけようもない。
言うならば、全体的に多少重みには欠ける。人物像の設定としてはありふれていて、主人公ドイツ人のバートはいかにも善人で個性に欠け、サッカーイギリス代表チームに入るような体格には見えず、芯の強いヒロイン像は若干演出風 。そして2人が恋に落ちる展開は初めから目に見えている。バートの心の奥で消えることのない戦時中の罪悪感について、これはポイントになるところで、心に響くが、途中から察しがつく。
ラベル:映画 T K
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2020年10月17日

Awaydays

Awaydays.jpg2009  Director: Pat Holden

強いアクセントのフーリガン的な青春ものだが、サッカーはどこへ? ガレージ的なオシャレ雰囲気は察するが、どこかにあったような作風、未完成感をよしとしている。
R18 ? 制限が高過ぎる。11年後の日本公開..?
ラベル:映画 a
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2020年10月03日

Ema  「エマ、愛の罠」

Ema.jpg2019  Director: Pablo Larraín

音楽に乗せてストリート系コンテンポラリーダンスに、ラテンのカラーと オリジナリティーのある おしゃれ作品といえるのか、主人公がきれいな人で踊れること、ガエル・ガルシア・ベルナルは時の人なのか 有名ではあり、ただ とにかくストーリーは三流だ。好き嫌いは別として ダンスと火事~火炎放射器や..~を視覚的なテーマとし、ぶつ切れの会話劇をつないで 不器用な家族ドラマの核心へ持っていくのかと想像したが、残念ながら、後半の描写とエンディングの種明かし的なものは、陳腐で、開き直った感がある。
ラベル:映画 E
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Werk ohne Autor  「ある画家の数奇な運命」

Werk ohne Autor.jpg2018  Director: Florian Henckel von Donnersmarck

確かに数奇な運命だが、予告編から想像できる展開とは違い、主人公クルトは事実を一切知らないままなのだ。ありがちな展開は、クルトが叔母の行方を調べ、何かを見つけて義父カールとの関係を突き止め、カールへの制裁が下るというものだが。
恋人どうしから夫婦になったエリーの前でさえ、クルトは叔母エリザベートの話を一度も出さない。エリーのことを本名エリザベートと呼ばず、個展で叔母の絵について記者からの質問にはさらっと嘘をつく。彼は目をそらさなかった出来事を受け入れ、心の中に閉じ込め、今を生きる青年のようだ。それは 純粋な笑顔と時折寂しげな瞳の 寡黙なクルトの印象に違和感はない。~「コーヒーをめぐる冒険」の彼だが、なぜか歳をとっていない~
クルトは成功した個展の後に過去の叔母と同じ行動をとる、エンディングまで 言葉にしない、誰にも話さない形での 心理描写は、間接的に主人公の人物像が掘り下げられる。
そういう点も 主人公が画家であるから、アートの内面的で、それは映画として決して独特でわかりづらいタイプのものではなく。
~フランソワ・オゾンの Frantz 以来 目にするようになった 正統派な印象のパウラ・ベーアであったり~意外と今作ヌードシーンが多いのだけど、内容的にも美しく、これもテーマの1つにアートがあると思えば 意外でもないのかもしれない。
義父カールについては、ここまで迫っている状態で、動揺を見せるが、カール本人以外に気づいている人はいない。~ドイツ映画以外でも出演を観かける彼が珍しく悪役で~複雑な面も観せるが、カールについてクライマックスに持ち込まないという..。
東西ドイツの世相、東ドイツのアートスタイルや 西へ移ってからもスランプとなり苦悩するクルト、美術学校の教授の人生論、義父との確執と生活のための労働、そんな中で 愛する妻エリーとの信頼関係は深まるばかり西ドイツの美術学校の仲間たちとの友情、時間をかけて画家として頭角を表し、希望が観える、主人公クルトの成長のストーリーでもある。
このジャンルの映画にして3時間は珍しい。丁寧に描かれ、オーディエンスに明らかにすることを 敢えて劇中 核心に触れず、縁を通って観せることにより、サスペンス要素は消え、重厚なヒューマンドラマになる、逸品。
ラベル:映画 w
posted by JUNE at 14:30| Comment(0) | 映画コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする