2020年11月28日

Waiting for Anya  「アーニャはきっとくる」

Waiting for Anya.jpg2020  Director: Ben Cookson

ユダヤ人が移動させられる戦時ドイツ支配下のシリアスなシーンから始まり、南仏にもドイツ兵が入り込み、背景は重いが、少年視点で 家族やユダヤ人、ドイツ人大佐との交流 と、割と穏やかに流れる。
邦題の ‛アーニャ’ について、キーパーソンの重要な目的であり、この映画の始まりであるわけだが、主人公は少年ジョーで、アーニャはストーリーに全くというほど登場しない。エンディングは感動のエピソードではあり、皮肉な結末と捉えるものだとしても、そこで終わっては始まりにつながらない。もう1シーンだけでも加えて締めてくれれば。
ユダヤ人の子どもたちの移動について、これはストーリー展開の重要事項で クライマックスでもあるにも関わらず、中途半端に終わるのはなぜか?アーニャを待ち続けていたはずの彼女の父親のその後不明と関係し、締まらないわけだ。子どもたちが国境を越える内容の映画が他にあったが、そんなふうにテーマを絞る必要あり。テーマが揺らぐと、よい映画ではあるのに すっきりしない。
まず 初めから奇妙なのは、フランスが舞台で、ジャン・レノが出演していて、ジョーの母役~彼女はモディリアーニの絵のモデルの印象だ~も英語圏の人ではないのに、英語の映画だ。ときどきフランス語の単語が聞こえてくるのに、みんな訛りのある英語を話す。ジョー役はときどきフランス語の単語の発音が上手なのでフランス人なのかと思ったら 実際はアメリカ人らしい。だから 少なくとも彼とアンジェリカ・ヒューストンはわざと訛りのある英語をしゃべっているわけだ。
ジャン・レノではなく、キーパーソンのベンジャミンは序盤ジョーに次ぐもう1人の主人公のように観えたが、薄れる。あるドイツ大尉のほうがキーパーソンとなる。そして 言うならば、ジョーと初めて出会ったシーンのベンジャミンは なんだか不審だ、ストーリー上ではなく演出が。
ジャン・レノとアンジェリカ・ヒューストンとの役の関係は必要か?彼らについての前置きが無いので 不必要に思える。
エンディング、彼女が現れる前のシーンに彼女は映っている、目立つ色の服だもの、明らかに意図的なのだが、その必要あるか?
主人公ジョー役は美しく~フランス語の単語の発音が上手く~演技もよかったかと。
ラベル:映画 w
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2020年11月22日

Rémi sans famille  「家なき子 希望の歌声」

Rémi sans famille.jpg2018  Director: Antoine Blossier

(ほとんどストーリー解説の回)
壮大な人生だった。老人が子どもたちに語る自身の生い立ちの起源は ある農村に始まる育ての母親から引き離された孤児レミは 親方と旅をする。元ヴァイオリニストである親方に助けられ、歌う才能を見いだされ~その割に歌声を聴く機会は少ない~。リーズに出会い、拾われたときのブランケットによってレミの産みの親が判明するまでに 危険な目に逢い、病気の親方を失う。貧しい農村の孤児は ロンドンの領家の血を引く子だった。その後のレミは育ての母とも再会、歌うプロの青年となり、リーズと結婚したらしい。
リュディヴィーヌ・サニエとヴィルジニー・ルドワイヤンが母親役を。少年が主人公、言われなければ初めは気づかない白髭のダニエル・オートゥイユが第一主演といえる。「家なき子」はフランスの児童文学作品だったのだ。


ラベル:映画 R
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2020年11月21日

Om det oändliga「ホモ・サピエンスの涙」

Om det oändliga.jpg2019  Director: Roy Andersson

独特の世界観。おもしろくはないのだけど、「さよなら、人類」からの それは予想どおりでもあり、それでも新たな発見があるかと期待したが、特にはない。
ほとんど動かない顔の白い人たち。世界の果てのような、身近なような。時は関係ない、もっと壮大なもの、日常から切り取られた、人間らしさを観る。素朴なのに残酷なシーンがあるのは前作以上かもしれない。
ある男がいた...
スウェーデン映画。
ラベル:映画 O
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Hillbilly Elegy

Hillbilly Elegy.jpg2020  Director: Ron Howard

また丸くなったようだが 役柄の印象に合っている、エイミー・アダムスの演技がすごく、そして、こんなおばあちゃんいそうな見た目にも驚きのグレン・クローズがまたすごい。家族全体的に、主人公の子ども時代の役の男の子含め 演技がよい。
シーンは現在と過去との時間交錯により進行する。ヒューマンドラマのジャンルにそれほど多くはない構成だが、なくもない。この映画では、子どもの頃からの母との関係があって、現在がある、この環境で育った主人公自身の変化、祖母の存在 と、進行によって、各々についてと 家族との関係性の深掘りにつながる、巧みな効果がある。
エキセントリックだが、庶民的な役で光るのは、紛れもなく演技力だと感じる。
エンドロール、映画のモデルとなった実在の人物にこんなに似せているとは、特にグレン・クローズ演じたおばあちゃんなんて。
ラベル:映画
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2020年11月14日

Edmond  「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい」

Edmond.jpg2018  Director: Alexis Michalik

スランプの劇作家エドモンドが作品づくりにノってくる、その高揚感と、急転に慌て、募る不安も感じながら、演劇の進行と エドモンドの現実とがしだいに重なって、周囲を巻き込み 盛大になっていく。
ドタバタ喜劇風、終始笑えるノリかというとそうでもないけれども、ときどきクスッと、全体的に微笑ましく。‛ドタバタ’ も 展開が速く、効果的なカメラワーク。舞台とセット、衣装も美しく、これがまた映画の中の劇場とオーバーラップ、登場人物 個々のキャラクター設定も馴染み、ひとつの演劇を観ているような、時代を感じる重厚な本を開いたような世界観。
恋の行き違いとしては、誠実なのか、やはり現実の気持ちも揺れ 切なさも垣間観え、劇作家のアーティストな思考は納得できるものか.. わかるような気もするが、妻の気持ちは当然のこと、しかし 夫の舞台の出来映えに関係良好。
ハッピーに幕が降りて、それは映画の閉幕でもあり。愛すべき作品。
布地にインクの羽根ペンで書いたようなエンドクレジットのデザインも この映画にマッチしていて、粋。 シラノ・ド・ベルジュラックを演じた歴代俳優がこれほどいたとは。
映画のカラー、個人的に、バズ・ラーマンのセロファン的な赤と青のギラギラした赤とは違い、ペドロ・アルモドバルの胸騒ぎの赤とも違い、この映画の赤は好きだ。フランス映画。
ラベル:映画 E
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