2017年02月12日

Juste la fin du monde  「たかが世界の終わり」

Juste la fin du monde.jpg2016  

Director:

Xavier Dolan

どうした??これまでのグザヴィエ・ドランフィルムとは一風違う。原作が戯曲らしいので、こうなる。
登場人物のアップと沈黙、唐突なシーンの切り替えとポップな音楽、そのへんはグザヴィエ・ドランスタイル。
途中から観た人がいたなら、この白熱した役者たちの演技、ただ事ではない状況に違いないと思うはずだが、実は。実にたいしたことない兄弟喧嘩、無駄口と あげあしの取り合いの ただの口喧嘩なのだ。コメディーのようなやりとり。それを 主人公が悩みを抱えているので、終始重たい空気に。
この異質具合もグザヴィエ・ドランだから注目されるわけだ。しかし、今回は役者の力も目立つ。超人気者フランス人俳優ばかりよく集めたなっていう。今や毎回注目の的ととなる若き新鋭監督だから、にしても、この俳優しか出ないという、なかなか実現するものではないだろう。
もうヴァンサン・カッセルなんて 目の上のたんこぶのようで、ここまでやれば、ちょっと笑える。
レア・セドゥーはボンドガールやら大人っぽい役をやるより、顔立ちが幼いので この妹キャラクターがなかなか良く。
感情あらわに言いたいことをぶちまける兄アントワーヌ(ヴァンサン・カッセル)と妹シルヴィエンヌ(レア・セドゥー)。対照的に、言いたいことを内に秘めた主人公ルイ(ギャスパー・ウリエル)と、兄の妻カトリーヌ(マリオン・コティヤール)。カトリーヌは このあきれた夫家族を一歩引いて見ながら、ときどき正論を言うが家族に押され気味で、夫アントワーヌと 初対面の義理の弟ルイに対して自分の想いがあるよう。
全体的に語尾を濁すようなもどかしい会話があり、特にカトリーヌとルイの含みのある言葉と表情が気になる。
今回のお母さん役はこれまでと違い、ナタリー・バイ。見ため奇抜で能天気な振る舞い。今回も母親にスポットが当てられている話かと思いきや、そうでもなく、家族全体、他の家族のほうがインパクト大。ただ、家族はこの母を中心に構成されている感覚はある。
ルイが病気~おそらく死に関わるような~であることを家族に言いに戻ってきたのに言えないままであることと、ルイがゲイであることで過去にぎくしゃくした事情があるようで、そんな背景の中、口喧嘩のやりとりもエスカレートして、しだいに過去からの確執を含む感情のぶつけ合いのようにもなる。
が、ルイは打ち明けておらず、ほとんど何も彼の口から語られることはなく、ただの口喧嘩の延長であるのに。ルイが帰ると言ったとき、溜めて答えたのが ‘約束がある’ だったことにも少々コケるが、それに対して、長年顔を出さなかった息子にもっといてほしい母の様子はわかるのだが、シルヴィエンヌの永遠の別れのような取り乱し方、彼女に限ってはルイの病気のことに気づいているはずはないから。
家族の言い争いに収集がつかないまま、ルイは家族に打ち明ける目的を果たさず、実家を後に。あれだと昔の家を見に行く暇ないだろう..。
壁掛け時計から飛び出してきたかのような鳥が床で死にかけている。ルイに対するメタファー。
なんにしても 恐るべし、グザヴィエ・ドラン。
ラベル:映画 J
posted by JUNE at 19:06| Comment(0) | 映画コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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