
Director:
Sean Ellisショーン・エリスが 戦争時代、ナチス関連の映画を撮ると..。これまでのフォトグラファーらしさはなくなるが、近距離からのカメラワーク~揺れ過ぎで気分がわるくなるほどではない~は緊張感に効果し、当時のプラハの雰囲気をつくる色味にも こだわりを感じる。
ナチス関連の話で取り上げられることは珍しい、ナチス第三の男といわれるらしい チェコを統治していたラインハルト・ハイドリヒ暗殺計画という視点で描かれる。主人公の若いスパイ2人と 現地レジスタンスとの人間模様、心の乱れや恐れ、作戦の展開、ナチスの脅威、窮地、 それらをドラマチックさも交えて、 あくまでシリアスな社会派映画に。安っぽい邦題とは裏腹に、重みのあるストーリーと仕上がり。目が離せないテンポ感で、軍事的なやりとりも詰め込み過ぎず、 理解できやすい範囲で、コンパクトにまとめられている。
エンスラポイド作戦は成功、彼らの行動は こうして後世に残され、歴史を大きく動かしたわけだ。しかし、実行グループは全滅、ナチスの報復により 罪のない国民たちのさらなる多大な犠牲を招いたという、残酷な真実と無念さを突きつけられる。