2018年04月13日

The Square  「ザ・スクエア 思いやりの聖域」

The Square.jpg2017  

Director:

Ruben Östlund

「フレンチアルプスで起きたこと」から また期待を裏切らない、ブラックユーモアのシャープな表現は 洗練されている。
現代社会に ありそうなシチュエーションばかりを突いてくる。
かと思えば、さらっとチンパンジーがペットとして家にいたり の遊び心。
大袈裟ではない日常的な出来事の選択をちょっと誤ったことから、不運に陥る、心理的に気になる。
集団の心理がところどころに描かれていて、日本人にもよくわかるもの。
明るくコミカルに展開させるから、客観的にとらえられる。
監督が言うように、ヒーローと悪者とを極端に描くのではなく、人は誰でも良い部分と悪い部分の両面を持っていることを示唆している。

例えば、美術のオープニングイベントに 猿のような男が現れるシーン、自分がこの場にいたらどうだろう、初めは笑える出し物の1つだと思って見ていても、度を超えてくると、劇中の会場客と同じように 目を合わせないようにして 体を硬直させて、自分のそばから去ってほしいと願う、自分だけは標的になりたくないし、誰か早く止めればいいのにと、~カンヌの会場でなくても~ 自分だったらと考えてしまう。これは まさにつくり手の意図するところ。

主人公クリスティアンの不運なストーリーは、初めに財布と携帯電話をスられた、全てはここから始まっている。
クリスティアンが 一見面白味がなさそうで、適役。スマートなようで 抜けていて、関わったがために 巻き込まれ、悪気はないが 責任があり、時には大きな行動に出るが 小心者、心配事や嫌悪感を解消するべく行動に出る..。人間らしく、憎めない、愛すべきキャラクター。
収まりつかず、ある意味これも後味のわるい映画...というより、最後まで皮肉ったわけだ。

展示美術のスクエアはもちろんのこと、螺旋ならぬマンションのスクエアの階段や、チアリーディングのスクエア型のコート と、現れるモチーフ。
モダンアートミュージアムを背景に、映像のシンプルさや 不思議な音のバックミュージックも 人の頭の中をSFタッチで表現しているような効果あり、絶妙。
ざっくりつくられたようなタッチで、実は 細部に つくり手のこだわりがある。登場人物の人あたりや 軽い展開と 柔らかいタッチのようで、実は 鋭い迫り方。
チンパンジーや 猿のような人が出てくるのも、一番人間に近い動物である 脳が発達する過程にある猿、人間の心理を描くために計算された演出かもしれない。
そのシーンちょっと長くない?くどくやる意味ある?とか、一方で、説明なく、ここで切る?というシーンもあるが、それらも計算されているに違いない。
映像美とともに 人間観察をユニークな映画にする、監督の才能に魅せられる、考えれば考えるほど。心に残る大作といったような話ではないのに。
ラベル:映画 s
posted by JUNE at 14:22| Comment(0) | 映画コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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