
同じ頃 製作、日本では劇場未公開の プーさんにまつわる映画がもう1本ある。こちらのほうがよい。 視点が違う。
タイトルの “ Goodbye” が意味すること、最後にわかる。
「プーと大人になった僕」の原題は「Christpher Robin」だが、プーさんキャラクターたちを実写で登場させ、 大人になったクリストファー・ ロビンに生き方を考え直させるもの、 大人に向けたメッセージを込めたファンタジーで、ここへきて、 現代的で 架空のストーリー度が高い印象。
そして こちらは、伝記的、 プーさんの作者ミルンと息子クリストファー・ロビンについて。 Winnie-the-Pooh 絵本の起源~きっかけ、 キャラクター、その名前~と、人物像、家族関係を。舞台は、 2本の映画が同じロケ地で撮影されているかのごとく。 この美しい100エイカーの森なくしては語れないに違いない。 プーさん自体は出てこなくとも、知りたいのは、 映画として観たいのは こちらかと。
戦争体験によるミルンの苦悩、父と息子、有名になること、 戸惑うクリストファーの子ども心、クリストファーにとって特別な存在ナニーのヌーのこと。
プーさんの画で、そう、 こんなヘアスタイルの少年がプーさんの片腕をつかんでいる。
ユアン・マクレガーは最適だと思えたが、役柄はちょっと違う、 彼もいた、ドーナン・グリーソン、「ピーターラビット」 とも違い、険しさと優しさと 彼もイギリス人であり、 とてもよかった。そして、クリストファー・ ロビン役の幼い男の子、長いセリフが多い、名子役だ。 アクセントが特徴的なトレインスポッティングのケリー・ マクドナルド、冷静な第三者であり、ビリー=クリストファーの大事な家族であり、穏やかな表情で凛とした、重要な役どころを印象的に。
事実、ミルンのプー以降の製作の困難や、 ミルン親子の関係は映画以上に険悪なものがあったとの情報もある が、映画でも そこにある程度触れ、 おそらく事実より早い和解を、それでも 根底にあるものは描かれ、それは意外な秘話であり、そして 彼らの絆を確認できる、森の重要な場所で、 温かい再生で締めてあり、映画として正解かと。