思考的なシーンと感情的なシーンを織り交ぜて 幻想的なムードをつくり、ドラマティックな要素主体で 斬新な映画を撮った意図が目立ち、この 若手俳優3人の出演がなければ、 二流アメリカ映画になっただろうと思える。
20代で最大の注目株だと思えるルーカス・ ヘッジズが良いのはわかっていて、ただ、彼がそれほど破天荒な人生を歩む人物には観えないが。悩ましく、心の 純真な部分を表す若者としては向く。
子ども時代の役だから純粋でよい、第一主役のノア・ ジュプは Suburbicon でマット・ デイモンの息子役、Ford v Ferrari でクリスチャン・ベイルの息子役、ここでますます頭角を現す。クセ者シャイア・ラブーフと対峙する複数の長いシーン。しっかりした子ども、無邪気な子どもらしさ、表情にも表れ、子役の演技となると恐ろしい、これ以上 大人にならないでほしい。
3人とも演技はうまいが、この映画での感情表現は いかにもな演出にも観える。
シャイア・ラブーフがこの映画の脚本を書いているが、彼自身の実話であるとしたら、その中で父親役を演じるという状況を思うと 考え深い。