戦争ゆえの偏見と、その中で生まれた愛とチームと、赦す人の行動、消えない心の傷と再生。戦争時代~主に戦後直後~のストーリーとしては穏やかに描かれ、 善人タイプの主人公として申し分ない主演カップル、 ストーリーに起承転結の波をつけ、戦争の痛ましさと逆境、 その後の人々の変化、人の温かさも感じられ、幸せな時と 事態の一転、さらに落ち、再生へ向かう時 と観やすく、文句のつけようもない。
言うならば、全体的に多少重みには欠ける。 人物像の設定としてはありふれていて、 主人公ドイツ人のバートはいかにも善人で個性に欠け、 サッカーイギリス代表チームに入るような体格には見えず、芯の強いヒロイン像は若干演出風 。 そして2人が恋に落ちる展開は初めから目に見えている。バートの心の奥で消えることのない戦時中の罪悪感について、 これはポイントになるところで、心に響くが、 途中から察しがつく。