映画でとりあげられるには珍しい調香師という職業についてがスト ーリーのテーマというわけではない。
娘のために仕事が必要なギヨームと、 才能とキャリアをもつ調香師、偶然 専属で関わることになったデコボココンビのようだが、各々 壁にぶつかりながら、お互いに不器用にも信頼関係を築いていく、 見返りなくお互いの助けになり、相互に良く作用して、 なかなかのペアに観えてくる、微笑ましさ。
アンヌは かつて成功したプライドがあり、しかし 自分が専門とする嗅覚に支障を来して悩み、人付き合いが苦手で こもりがち。エマニュエル・ ドゥヴォスの無愛想ながらチャーミングで素直になる一面を観せる 好演。
ギヨームは 崖っ縁の状況でも楽観的で 意外と真面目、娘と過ごす時間を大切にし、 人間らしいアドバイスでアンヌをサポート。 彼は主人公としてのルックスもよくはないのだが、 ユーモラスで嫌味なく、人柄のよさが出る好演。
仕事のパートナーとして、そして各々の将来にも希望が観える、 気分が晴れるエンディング。