詩的で難解だ。
イスラエルの時代背景はあるが、 登場人物が直接的に迫害を受けたようなストーリーではない。 中流家庭で育った少女が夢見た世界とかけ離れた現実に心を閉ざし ていったと観られる。
少年の視点で、ひとり息子のアモスが見てきた母の苦悩について。 そして、年老いてまだアモスの心の奥に染みついたものを。 母が話した物語は、どれも彼女本人の心の反映、 そしてアモスもまた想像の世界で 母を救い出し、救い出し、救い出すことはできなかった彼の心と、 自分自身というものについて。 環境を変えても自身は変わらないというのは 身につまされる。