2021年01月16日

Les parfums  「パリの調香師 しあわせの香りを探して」

Les parfums.jpg2019  Director: Grégory Magne

映画でとりあげられるには珍しい調香師という職業についてがストーリーのテーマというわけではない。
娘のために仕事が必要なギヨームと、才能とキャリアをもつ調香師、偶然 専属で関わることになったデコボココンビのようだが、各々 壁にぶつかりながら、お互いに不器用にも信頼関係を築いていく、見返りなくお互いの助けになり、相互に良く作用して、なかなかのペアに観えてくる、微笑ましさ。
アンヌは かつて成功したプライドがあり、しかし 自分が専門とする嗅覚に支障を来して悩み、人付き合いが苦手で こもりがち。エマニュエル・ドゥヴォスの無愛想ながらチャーミングで素直になる一面を観せる好演。
ギヨームは 崖っ縁の状況でも楽観的で 意外と真面目、娘と過ごす時間を大切にし、人間らしいアドバイスでアンヌをサポート。彼は主人公としてのルックスもよくはないのだが、ユーモラスで嫌味なく、人柄のよさが出る好演。
仕事のパートナーとして、そして各々の将来にも希望が観える、気分が晴れるエンディング。
ラベル:映画 p
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Boże Ciało  「聖なる犯罪者」

Boze Cialo.jpg2019  Director: Jan Komasa

罪人と聖人、信じることと疑うこと、過ちと信仰心、赦す心、対局な要素を含み、強烈なインパクトを与えながら 繊細で、目の離せないダークな作品。
独自性のある若い神父に初めはとまどいの表情を浮かべる住人たちは信者であり相手は神父であること、そして型破りながらも 心ある言葉と正しい行いによって、ダニエルは住人たちの信頼を得ていく。
ストーリーは 主人公自身の成り行きだけではない、町には事故にまつわる根深い不和があり、ダニエルがとった行動、住人たちに与えた影響、悲しみと怒り、人の心と行動と、信仰と赦しとは。
ダニエルは大胆にも 偽りの職権の場で 自分の過ちを告白し、神の前で自分のありのままの姿をさらけ出す。
澄んだ瞳の善人のようにも見え、時には親しみやすい青年らしさも見せ、彼自身信仰心のある潜在能力が人を惹きつけ、しかし彼の奥に潜んでいる凶暴性が現れる瞬間を観る。ダニエルのクセらしい動きや、無のような表情、静かな動揺、何を考えているのかわからない不気味さ含め、主演俳優にインパクトがある。
シーンが一変、不安定ながらも上昇傾向だった流れが急降下する内容に堕ち、やりきれなくも 認めざるを得ず、そして鼓動が激しくなるようなエンディング、血走った彼の目つきと撮り方。行く末をを決定づけず、逆手にとったような、強く印象に残るもの。
ポーランド映画。
ラベル:映画 b
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2021年01月10日

Fête de famille  「ハッピー・バースデー 家族のいる時間」

Fête de famille.jpg2019  Director: Cédric Kahn

カトリーヌ・ドヌーヴが一家の長、家族が集まって と よくある設定で、彼女の夫はいらないことは言わず料理担当、子どもたちに各々個性があって、脇役で孫たちもいて。
自然に囲まれた邸宅、美しい庭で 家族そろって食事というのは憧れる。そして、音楽があって、ダンスがあって。
音楽は、ピアノの聴き心地よさと 若干の胸騒ぎ旋律。
家族のドタバタは、ドキュメンタリー映画を撮るとか、そのあたりは他人事として微笑ましく笑えるくらいで、ただ 後半は他人事でも笑えなくなるが、家族だから、しかも2人で向き合うわけではなく 兄弟家族もいて、資産もありそうだから、なんとかなるだろう。しかし、よくない雰囲気が加速、何も解決することなく、でもって そのエンディングはありなのか..? 姉クレールだけでなく、次男ロマンもヤバいと観た。
カトリーヌ・ドヌーヴはいつでもゴージャスなオーラを放っていながら 自然な家長っぷり、まともなタイプの監督と、ヴァンサン・マケーニュがまた憎めない個性派、最近メキメキと観かけることの増えた 孫役の女の子は印象的、そしてエマニュエル・ベルコの この観ていて不愉快なくらいの体当たり演技。
タイトルのバースデイってことは忘れる内容であった。唯一、孫たちがバースデイパーティーのために周囲を取り持つ努力を。
ラベル:映画 f
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2021年01月02日

Funan

Funan.jpg2018  Director: Denis Do

それほど昔の話ではない、1975~79年のカンボジア、近く アジアの国で起きていたことだとは衝撃だ。過酷で悲惨な内容をシンプルに伝えている分、実写では観られないかもしれない、アニメーションだから観ていられる。
人の顔の区別がつきにくいものの、表情豊かではないにも関わらず、感情が伝わり、広大な東南アジアの風景とスケールの大きさも伝わる。
考えるのははぐれた3歳の息子ソヴァンのこと。捜すことを阻まれ、元気で生きていると信じるしかなく、過酷な環境での移動と労働の時間が過ぎる、周囲も次々と命を落とし、心身ともに疲弊していく。幼いソヴァンが見てきたものは。夕日に照らされた奇跡のような時、生き残った家族は希望をまた胸に立ち上がる、しかし恨めしくも言いようのない皮肉な現実を突きつけらる。口数の少ないソヴァンが差し出した手、後ろからふわっと吹く風は もう。
シンプルなタイプの絵でもって、直接的な残酷な描写は避け、90分以内に収められる中で、悲痛さと繊細な美しさ、壮大なメッセージのこめられた胸に迫る内容が表現されていることに驚かされる。
ラベル:映画 f
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2020年12月29日

Love Sarah  「ノッティングヒルの洋菓子店」

Love Sarah.jpg2020  Director:Eliza Schroeder

穏やかに観やすい良い話。悲しさを乗り越えて、わだかまりを取り除いて、自分の気持ちに立ち返って。家族はもちろん、わかり合える仲間は大切で、一緒に乗り越えて 喜びをわかち合って、そして実際のところ出資者がいないと始まらない。店名はこれ以外には考えられないのだろう、彼らの想いがこもっている。
いまいちキャスティングがしっくりこないのだけど、それには目をつぶるとして、ストーリーの中で印象が薄い割に この男はかき乱すだけで、面白味がない。発明家のおじいちゃんには好感が持てる。
各エピソードぬるいが、温かいまとめで、よいと思える。晴れた昼間のノッティングヒルの街を観ているだけで清々しい気分になる。外観も店内もヨーロッパ風で素敵、ただ、ショーケースに入れなくてよいのだろうか。
田中さんは日本人ではなさそうに見えるし、抹茶ミルククレープにピンとこないのだけど、いっそのこと和菓子にすれば?すると ベイカリーショップではジャンルが違うのかも。
ラベル:映画 l
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